電界結合型ワイヤレス電力伝送システムの開発

電界結合型ワイヤレス電力伝送システムの開発

2010/06/28

株式会社村田製作所

代表取締役社長 村田 恒夫

要旨

株式会社村田製作所はワイヤレスで電力を供給できる電界結合方式の電力伝送システムを開発しました。このシステムを用いれば、電源コードなどを介さずとも、充電台に機器を置くだけで充電することが可能となります。当システムは、高効率の上、位置自由度が高いため、非常に利便性の高いシステムとなっております。

背景・目的

昨今、モバイル機器の普及に伴い、ワイヤレス電力伝送システムの開発がおこなわれています。開発事例の多い電磁誘導方式では、充電ポイントから少しずれると充電できなくなるという課題がありました。当社は、電界結合型のワイヤレス電力伝送技術を持つTMMS 社の技術を用いて、ワイヤレス電力伝送システムをTMMS社と共同で開発しました。当方式を用いれば、充電ポイントを気にせず、充電を行うことが可能となります。

当社は、今後ニーズが高まっていくワイヤレス電力伝送の実現により、電源コード不要の便利な社会の実現に貢献していく予定です。

用語説明

※電界結合方式 電界結合方式とは、送電側と受電側に電極を設置し、電極間に発生する電界を利用してエネルギーを伝送する方法です。電極間には容量が発生するため、容量結合方式ともよばれています。

特徴

  • TMMS社の電力伝送技術に当社の回路設計技術を加え、さらに電極構造を工夫したことにより、位置自由度が高く、かつ高効率のワイヤレス電力伝送を実現
  • 一つの充電台で複数種の電子機器への充電が可能
  • 当社独自の安全制御方法により、信頼性の高いシステムを実現
  • 伝送部の発熱が少ないため、機器への影響を軽減
  • 位置自由度が高いため、動くものにも充電可能
  • 電力伝送のインターフェースとなる電極部が非常に薄く形成できるため、機器への組み込みが容易
  • 充電台の素材としては、透明、フレキシブルな樹脂など様々な材質を利用可能であり、高いデザイン性を実現

用途

  • 携帯電話、携帯音楽プレーヤー、DSC、ノートPCなどモバイル機器、照明、装飾品、住設関連など
  • オフィスのデスク自体を充電機にすることにより、ノートPC、携帯電話、DSCなどを置くだけで充電するスマートデスクの実現に
  • 交通機関、宿泊施設などいたるところに当システムを採用いただくことにより、ACアダプタなしで、どこでも充電可能な社会の実現に

品番

LXWSシリーズ

電気的性能

伝送電力 1~10W
伝送効率
ワイヤレス伝送部のみで90%以上

外形寸法

送電モジュール: 50 x 25 x10 mm (3W品でのターゲットサイズ)
受電モジュール: 10 x 10 x 1.5 mm (3W品でのターゲットサイズ)

生産体制

  • 2010年秋量産開始を目標とする。
  • 月産1万台からスタート

サンプル価格

個別対応 量産ターゲット価格は送、受電モジュール合わせて980円 (月産10万個受注時)

特許関係

伝送方法に関する特許を10件出願中。

TMMS社について

商号: TMMS 株式会社 (TMMS Co Ltd)
設立: 2006年10月03日
本社: 京都市中京区釜座町22番地ストークビル三条烏丸504号
取締役:
ヴォグレ ステファン Vogley Stephane
website: www.tmms.co.jp
主要事業: 技術開発支援及び市場開発支援

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp