I.H.P. SAW技術を用いた高性能ISM2.4GHzフィルタの商品化

  • 弾性波デバイス

2017/03/23

要旨

株式会社村田製作所はこのたび当社独自の新しいSAW*1技術(I.H.P. SAW*2)を採用し、従来に比べて高い急峻性、低損失、安定した温度特性を実現したWi-Fi(ISM2.4GHz*3)用SAWフィルタ(1.1×0.9mm)を商品化しました。2017年6月より量産を開始いたします。


補足

現在、スマートフォン・タブレット機器においてWi-Fi(ISM2.4GHz)は必須の機能となっています。
近年では2.4GHz帯付近にBand7/30/40/41などの多数のLTEバンドが運用されるようになっており、これらLTEバンドとの相互干渉を防ぐために、Wi-Fi(ISM2.4GHz)用フィルタにはより急峻かつ低損失なフィルタ特性や安定した温度特性が要求されています。これらは従来のSAWデバイスでは対応が難しく、他社製のBAW技術によるフィルタが有力になっています。
今回、独自のSAW技術(I.H.P. SAW)の採用により、従来よりも効率的にSAWエネルギーを伝播することで、既存BAW技術を凌駕するトータル特性(急峻性、低損失、温度特性)を備えたWi-Fi(ISM2.4GHz)フィルタを実現できています。


特長

  • I.H.P. SAWの持つHigh-Q性能による、低損失かつ急峻なフィルタ特性
  • I.H.P. SAWの特長である、優れた温度特性
  • SAWプロセスの継承による、フレキシブルな生産体制


用途

スマートフォン、タブレット等モバイル機器のWi-Fi(ISM2.4GHz) RF回路


品番

SAFQ*2G45MA0G0Aシリーズ

I.H.P. SAWの技術コンテンツはこちらをご覧下さい。


生産体制

2017年6月より量産出荷開始


用語説明

*1 SAW : Surface Acoustic Waveの略で表面弾性波。SAWは物体の表面に集中して伝搬する振動。
*2 I.H.P. SAW : Incredible High-Performance SAWの略で、当社独自の高効率エネルギー伝播のSAW構造。
*3 ISM2.4GHz帯 : 世界各国で割り当てられたISM (Industry Science Medical) 周波数帯のひとつで、現在は無線LAN(IEEE 802.11 a/b/g/n(Wi-Fi)シリーズ)のほか、Bluetooth、アマチュア無線、RFIDなどに広く使用される。

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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