工具の使い方と電子工作のコツ

電子工作のコツ/部品の取り付け

電子工作をするときは前回説明した"はんだ付け"も大事ですが、はんだ付けをする前に部品をきれいに取り付けると、出来上がりの見た目がよくなりますし、ミスも見つけやすくなって、失敗も少なくなります。

ここでは、部品をきれいに取り付けるためのちょっとしたコツを説明します。

その1: 部品の足を曲げる

部品の足は基板の穴に合わせて曲げよう

電子部品の取り付け例

部品の足の幅は基板に空いている穴の幅と違うことが多いので、
基板の穴にあわせて足を曲げる必要があります。
これがきれいにできるだけで、すっきりして見た目がよくなります。

なかには足を大きく曲げて取り付けるときもあります。
このとき、部品の足がきれいに曲がっていると出来上がりがとても立派に見えるものです。

 

部品の足を曲げる方法

指先で曲げる方法

①片方の手で部品をしっかり持つ
②反対の手の人差し指の腹で足を押さえる (指にひっかけるような感じ)
③そっと曲げる

 

ラジオペンチを使う方法

大きく曲げる時や正確に曲げたい時はラジオペンチを使いましょう。

①曲げたいところから2mmくらい離れたところを、ラジオペンチで軽くはさむ
②ラジオペンチを回すようにして足を曲げる

 

まとめて曲げたいときにもラジオペンチは便利です。

①曲げたいところから2mmくらい離れたところをラジオペンチではさむ
②しっかり握ったまま、指で部品ごと倒す

 
電子部品の取り付け方

部品をさしたら、基板を裏返しても抜けないように
足をすこし折り曲げておきましょう。

最初から足が曲がっているときは?

部品の足は曲がりやすいので、組立前から足が曲がっていることがあります。
でも大丈夫。そんな時は親指と人差し指でゆっくりしごいてあげると大抵はまっすぐに直ります。

足が曲がっている電子部品
足をまっすぐにした電子部品

その2: ビニール線を付ける

ビニール線をきれいにむこう

ビニール線の中には、細い銅線がたくさん入っています。
このビニールをむくときに細い線をひきちぎらずに、きれいにむくコツを紹介します。

1.カッターナイフを使う

①工作台の上にビニール線を置いて、カッターの刃を当てながらコロコロと2回ほど転がす
※中の銅線まで切らないよう、カッターの刃は軽く当てる
②切れた先の部分をねじりながら引き抜く
※ねじりながら引き抜くことで、銅線がねじれた状態でむける
③銅線の先がバラけないよう、しっかりねじる

 

2.ニッパーを使う

慣れるまで少し練習が必要なので、ビニール線の切れはしで練習しましょう。

①ビニール線を曲げて持ち、ニッパーの刃で軽くはさみ、中の銅線が少し見えるくらいまで切る
②切ったところを更に曲げる
③ビニール線をのばして、切れた先の部分をねじって引き抜く
※ねじりながら引き抜くことで、銅線がねじれた状態でむける

 
ビニール線をむく専用の工具 (ワイヤーストリッパー) の画像

ビニール線をむく専用の工具 (ワイヤーストリッパー) もあります。

細い銅線はすべて通す

配線するときは、細い銅線をすべて穴に通しましょう。
はみ出していると見た目が悪いだけではなく、知らないうちにとなりの部品やビニール線に接触してショートしてしまうかもしれません。

銅線の通し方:OK!
銅線の通し方:これだと危険

ビニール線のはんだ付け

飛び散った線クズの画像
飛び散った線クズ

ビニール線をはんだ付けするときは、銅線の全てにはんだが行き渡るように、しっかり付けましょう。
はんだ付けした後で先をカットした時に細かい銅線 (線クズ) が散らばってショートの原因になることを防げます。

ビニール線のはんだ付け:OK
ビニール線のはんだ付け:NG

その3: 端子にはんだ付けをする

端子へのはんだ付け

スイッチやスピーカーの端子は、基板と違って穴が大きいので、部品の足やビニール線をさしただけでは抜けやすく、不安定です。
そこで、抜けにくくするために一工夫する必要があります。

部品の足の場合

端子へのはんだ付けの解説1

足を端子にからげて (巻きつけて) からはんだ付けします。
あらかじめ足の先をつり針のように曲げてから穴に通してもよいでしょう。

ビニール線の場合

端子へのはんだ付けの解説2

まず、先をしっかりねじって、細い銅線がバラけてくるのを防ぎます。
部品と同じく、端子にからげて (巻きつけて) からはんだ付けします。
あらかじめ先をつり針のように曲げてから穴に通してもよいでしょう。

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