工具の使い方と電子工作のコツ

電子工作のコツ/ユニバーサル基板に挑戦

ユニバーサル基板は、部品を取り付けるための穴が縦横に並んでいて、それぞれの穴にはんだ付けするためのランド (銅はく) が付いた基板です。
この穴に電子部品の脚を差し込んで取り付け、はんだ付けしながら配線することで回路ができます。
市販のキットなどについているプリント基板と違って、これを使うとどんな回路でも自由に組み立てることができますが、配線も全部自分でやらなければいけません。

ユニバーサル基板 表面
ユニバーサル基板 表面 (部品を差し込む面)
ユニバーサル基板 裏面
ユニバーサル基板 裏面 (はんだ付けする面)
プリント基板 裏面
プリント基板 裏面 (はんだ付けする面) すでに配線されているので、部品の脚とランドをはんだ付けするだけで回路ができる。

そこで、今回はユニバーサル基板を使って電子工作をするときのコツを紹介します。

その1: 部品の脚の幅を穴に合わせよう

部品を基板に取り付ける時は、まず穴の間隔に合わせて部品の脚を曲げてから、穴に差し込みましょう。
背の低い部品から取り付けると工作が進めやすいです。

ユニバーサル基板の穴は等間隔に並んでいて、多くは2.54mm間隔になっています。
これはICの脚の間隔と同じ寸法で、ICなどインチ寸法を基準に作られた電子部品を多く使う時に便利だからです。
(豆知識: 1インチは25.4mmです。 ということは、2.54mmは1/10インチになります。) 
ほかに、2.5mm間隔や1.87mm間隔で穴が空いているものもあります。

脚を広げて取り付ける (トランジスタなど)

1つの穴に足が1本ずつ入るように、少し足を広げてから差し込みます。

 

脚を曲げて取り付ける (抵抗器やダイオードなどの横型部品)

左右の脚を穴の幅に合わせて90度曲げてから差し込みます。

 

きれいに曲げる方法は、「部品の取り付け」編でおさらいしましょう。

そのまま取り付ける (コンデンサなど)

最初から部品の脚の幅と、基板の穴の間隔が合っているときは、そのまま差し込みます。

 

その2: 部品の足で配線する

部品を取り付けたら、一つずつはんだ付けし、余った脚を使って配線していきます。
プリント基板の場合は、はんだ付けした後に余った脚を根元から切り取りますが、ユニバーサル基板を使った工作では配線する方向に曲げてから余った先を切り取ります。

①部品の脚を基板の表から穴にさす
②基板を裏返す
③配線する方向に脚を曲げる
④脚とランドをはんだ付けする
⑤余った脚の先端を切り取る
⑥先端をはんだ付けする

例えば、赤枠の部分を配線したいとします。

部品と取り付けたユニバーサル基板 表側
基板表側
部品を取り付けたユニバーサル基板 裏側
基板裏側

ひとつめの部品を取り付ける

 

ふたつめの部品の取り付け

 

みっつめの部品の取り付け

 

同様の作業を繰り返して、はんだ付けと配線を行います。

その3: 配線を継ぎ足す

切り取った脚やスズめっき線

部品の脚だけではつなぎたいところまで長さが足りないときは、継ぎ足して配線する必要があります。
部品をはんだ付けした後に切り取った脚や、スズめっき線を使いましょう。

ここに配線したい場合

ユニバーサル基板 部品の脚の先端の部分をはんだ付け

1. 部品の脚の先端の部分をはんだ付けする。

ユニバーサル基板 すずメッキ線をつぎ足す

2. ①ではんだ付けした部分にスズめっき線をつぎ足す。 (線は熱くなるので、ラジオペンチで挟んで持つ。)

3. 余った線を切り取る

先端をはんだ付けする

4. 先端をはんだ付けする

マメ知識: はんだ付けをやり直す~はんだ吸い取り線の使い方

はんだ付けを失敗してしまった時や、部品をはずして回路を作り直したりする時もあります。
「はんだ吸い取り線」を使って、はんだを取り除きましょう。

使い方

吸い取りたいはんだの上に吸い取り線をのせて、はんだごてを当てます。
吸い取り線とはんだに熱が十分伝わると、はんだが溶けて、吸い取り線の網目部分に吸い込まれます。

例えば、赤枠の部分のはんだを取り除きたいとします。

はんだ吸い取り線の使い方
 

いつも銅色の部分を使う

はんだを吸い取って銀色になった部分はニッパーで切りおとし、銅色の新しい部分で作業をしましょう。

 

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