セラミックコンデンサ(キャパシタ)アプリケーション別サポート
基地局設計の課題にコンデンサ選定でアプローチ

使用周波数帯域の高周波化、サイズの小型化が進む基地局の設計において、限られた基板スペースに搭載できる部品点数やサイズの制約、部品の使用温度の制約によって妥協を強いられることはないでしょうか。

村田製作所ではこれらの課題を解決するための、小型かつ高周波特性が良いコンデンサ、搭載部品点数を減らせるコンデンサ、高温保証できるコンデンサをラインアップしています。

  • 150°C保証 High-Qコンデンサ 定格電圧100Vコンデンサ
  • 0603Mサイズ以下 High-Qコンデンサ
  • 省スペース 小型大容量 100uF超コンデンサ

PA周りは125°Cを超えることも。高温環境でも使えるコンデンサ

150°C保証 High-Qコンデンサ GJM/GQMシリーズ

DCカット用、マッチング用

GJM/GQM

150°C保証 定格電圧100Vコンデンサ GRMシリーズ

Vdrain、デカップリング用

GRM

基地局用PAは、回路基板や部品の発熱により高温になります。特に増幅用トランジスタの発熱は大きく、この近傍に配置されるDCカット用、マッチング用コンデンサは高温にさらされます。加えて、増幅された電力を受け、コンデンサ自体の発熱も大きくなります。

また、近年はMultiple-Output化(Txの増加)が進むことで、部品点数が増加する一方、基地局サイズは小型化され、ヒートシンクなどによる熱対策に使えるスペースが少なくなってきています。さらに使用周波数帯域の高周波化が進み、部品の発熱も大きくなってきており、コンデンサの周囲温度と自己発熱を125°Cに抑えることが回路設計上の制約になるケースが顕在化しています。このような背景より、DCカット用、マッチング用コンデンサに使用されるHigh-Qコンデンサに加え、PA Vdrain電源供給用デカップリング用コンデンサでも、125°Cを超えるケースが出てきています。

村田製作所では従来の150°C保証High-Qコンデンサのラインアップに加え、デカップリング用一般コンデンサの150°C保証品をラインアップしています。PA周辺に使用されるコンデンサ周辺温度の制約を軽減することで、設計の自由度を高めることができます。加えて、従来の温度要求に応えるべく、125°C保証品のラインアップも合わせて用意させていただいており、部品周辺環境に合わせて、必要な最高温度の製品をお選びいただけます。

比較

モジュール形態PAにも対応可能。0603Mサイズ以下High-Qコンデンサ

0603Mサイズ以下 High-Qコンデンサ GJM/GQMシリーズ

DCカット用、マッチング用

GJM/GQM

基地局用PAはMultiple-Output化(Txの増加)による搭載部品点数が増える一方で、機器のサイズは維持もしくは小型化が求められるため、回路基板の高密度化が重要になってきています。
また従来、ディスクリート形態で設計されることが多かったPA周辺回路において、Tx増加にともなうサイズ制約・製造効率化の向上のため、モジュール形態で設計されるケースも増えてきています。このため、マッチング用コンデンサも小さくする必要があります。

モジュール形態PAにも対応可能

村田製作所のHigh-Qコンデンサは、従来の1005M以上のサイズに加え、0603Mサイズ以下の小型High-Qコンデンサをラインアップしております。構造、材料の工夫により、静電容量値が低いものでも標準仕様の製品(GRMシリーズ)と比較して高いQ値を実現しています。マッチング用コンデンサの小型化と高いQ値を両立することで、高周波PA回路設計の高密度化に貢献します。

0.5pF品での比較

限られた基板面積を有効に活用。小型大容量コンデンサ

省スペース 小型大容量 100uF超コンデンサ GRMシリーズ

デカップリング用

定格電圧100Vコンデンサ GRMシリーズ

48V電源ライン対応

GRM

通信性能の向上により、基地局においてもICの高性能化が進んでおり、それにともない必要となるコンデンサの総容量も増加し続けています。一方で、機器のサイズは維持もしくは小型化が求められるため、回路基板の高密度化が重要になってきています。

電子機器がますます高度な機能を持つようになると、より厳しいCPUなどの電源ラインの電圧制御が必要で、電源ラインの安定性を保つために、大きな容量が必要となります。この傾向は基地局においても顕著で、情報処理量の増大にともない、ICの高性能化が進んでおります。それにともない、高容量のコンデンサを複数並列接続しながら使用されていますが、一方で、Multiple-Output化(Txの増加)による搭載部品点数が増えていることから、デカップリング用コンデンサの占有面積はむしろ削減することが求められます。また、電解コンデンサは1個あたりで得られる静電容量が大きいという魅力はあるものの、基地局のような高温環境で長時間連続動作する環境では、信頼性面のリスクから好まれません。

村田製作所は、より小さい占有面積で大きい静電容量を確保できる、100uF超のコンデンサをラインアップしています。基地局は厳しい環境での使用となるため搭載される部品にも厳しい使用条件が課されますが、そのような温度環境下でもご使用いただける125°C保証品のラインアップも拡充しております。また、100uF超のコンデンサのみならず、48V電源ラインに広くお使いいただける定格電圧100Vのコンデンサでも、小型品でかつ高温対応可能なラインアップを拡充しており、省スペース・大容量と高温対応を同時に実現することにより、設計の自由度を高めることができます。

限られた基板面積を有効に活用