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基地局設計の課題にコンデンサ選定でアプローチ

使用周波数帯域の高周波化、サイズの小型化が進む基地局の設計において、限られた基板スペースに搭載できる部品点数やサイズの制約、部品の使用温度の制約によって妥協を強いられることはないでしょうか。

村田製作所ではこれらの課題を解決するための、小型かつ高周波特性が良いコンデンサ、搭載部品点数を減らせるコンデンサ、高温保証できるコンデンサをラインアップしています。


High-Q capacitor guaranteed to 150℃ 0402 inch size High-Q capacitor High voltage,High capacity KRM series

Murata Icon X PA周りは125℃を超えることも。高温環境でも使えるコンデンサ

GQM   

150℃保証 High-Qコンデンサ GQMシリーズ(X8G特性)


DCカット用、マッチング用


基地局用PAは、回路基板や部品の発熱により高温になります。特に増幅用トランジスタの発熱は大きく、この近傍に配置されるDCカット用、マッチング用コンデンサは高温にさらされます。また、増幅された電力を受けコンデンサ自体の発熱も大きくなります。


従来の対策とその限界


DCカット用、マッチング用のコンデンサとして使用されるHigh-Qコンデンサの多くは、125℃が使用温度範囲の上限です。そのため、ヒートシンクの設計など放熱の工夫によって周囲環境温度を下げたり、DCカット用コンデンサの使い方を工夫しコンデンサ自体の発熱を抑えることによって、125℃保証のコンデンサをうまく使いこなすことで対応してきました。

DC cut

ところが、近年はMultiple-Output化(Txの増加)が進むことで部品点数が増加する一方で基地局サイズは小型化され、ヒートシンクなどによる熱対策に使えるスペースは少なくなってきています。さらに使用周波数帯域の高周波化が進み部品の発熱も大きくなってきており、コンデンサの周囲温度と自己発熱を125℃に抑えることが回路設計上の制約になるケースが顕在化しています。

村田製作所のHigh-Qコンデンサは、従来の125℃保証品(C0G特性)に加え、150℃保証品(X8G特性)をラインアップしています。DCカット用、マッチング用コンデンサ周辺温度の制約を軽減することで、設計の自由度を高めることができます。


150℃ guarantee, for the latest lineup
150℃保証 High-QコンデンサGQMシリーズ(X8G特性)の品番一覧

Murata Icon X 小型・低容量でも高周波のQ値が改善

GQM

1005Mサイズ High-Qコンデンサ GQMシリーズ


マッチング用


基地局用PAはMultiple-Output化(Txの増加)による搭載部品点数が増える一方で、機器のサイズは維持もしくは小型化が求められるため、回路基板の高密度化が重要になってきています。マッチング用コンデンサも小さくできればよいのですが、一般的にサイズの小さいコンデンサはQ値も低く、定格電圧も低くなってしまいます。さらに、周波数帯域が高いほどQ値は低下するため、なるべくQ値の高いコンデンサを選定したいところですが、高周波で選定される静電容量の小さいコンデンサはその構造上、High-Q仕様であっても標準仕様と比べてQ値の改善効果を得ることが難しいという課題がありました。

Capacitance used for matching

村田製作所のHigh-Qコンデンサは、従来の1608Mサイズに加え、1005Mサイズをラインアップしています。構造、材料の工夫により、静電容量値が低いものでも標準仕様の製品(GRMシリーズ)と比較して高いQ値を実現しています。マッチング用コンデンサの小型化と高いQ値を両立することで、高周波PA回路設計の高密度化に貢献します。

Comparison with 1.5pF product

Small size and high-Q,for the latest lineup
1005Mサイズ High-QコンデンサGQMシリーズの品番一覧

Murata Icon X 限られた基板面積を有効に活用。2段積み高容量コンデンサ

KRM 

省スペース 高耐圧 高容量 KRMシリーズ(2段積み)


トランジスタVdrainのデカップリング用

基地局PA用としてGaN高周波大電力トランジスタが普及することに伴い、従来のSi LDMOSトランジスタに比べて大電力化、高温動作対応、高速(高周波)動作対応などPAの性能は著しく向上しています。トランジスタの性能が向上する一方で、これらは周辺部品に対してもより過酷な使用環境耐性が求められることを意味します。

セラミックコンデンサの占有面積をいかに小さく抑えるか


PA動作を安定させるため大きい静電容量が求められるVdrainのデカップリング用コンデンサの選定も、使用環境の変化により大きく影響を受けます。

電解コンデンサは1個あたりで得られる静電容量が大きいという魅力はあるものの、基地局PAのような高温環境で長期間連続動作する環境では信頼性面のリスクから好まれません。現在、Vdrainのデカップリング用コンデンサとしては3225サイズのチップ積層セラミックコンデンサ(125℃保証、50Vdc~100Vdc、4.7uF~10uF)を10~20個並列接続することで静電容量を確保する設計が多く採用されています。

しかし近年では、GaNトランジスタの採用により大電圧動作が可能となり、ドレイン電圧も28Vから48Vに上げて動作させる設計も出てきています。高誘電率系のセラミックコンデンサは、印加される直流電圧が大きくなるに従い静電容量の実効値が低下する特性(DC-Bias特性)をもつため、静電容量を確保するために並列接続するコンデンサを増やさなければなりません。一方で、Multiple-Output化(Txの増加)による搭載部品点数が増えていることから、デカップリング用コンデンサの占有面積はむしろ削減することが求められます。

Risk of reliability at high temperature


村田製作所は、MLCCを2段積みにすることで小さい占有面積で大きい静電容量を取得できる金属端子付きコンデンサをラインアップしています。大型(5750M)サイズのチップ積層セラミックコンデンサは機械的ストレスによるクラックや温度サイクルによる はんだクラックを懸念して避けられる傾向にありますが、金属端子がそれらのストレスを吸収することでリスクを最小限に抑えることに成功しています。トランジスタVdrainのデカップリング用コンデンサの省スペースと大容量を実現することで、設計の自由度を高めることができます。


Advantages of MLCC

省スペース 高耐圧 高用量 KRMシリーズ(2段積み)の品番一覧