温度補償用(低容量)のMLCCの静電容量を測定した際、測定値が公称値より、大きくなった、小さくなった。
以下の順序で説明していきます。
1pFのMLCCの静電容量測定において、OPEN補正時のテストフィクスチャの端子間距離を変えて測定を行いました。
結果、OPEN補正時の端子間距離が測定するMLCCのL寸法より大きいと静電容量は大きくなり、小さいと静電容量は小さくなります。
OPEN補正時のフィクスチャ端子間距離は、測定するチップのL寸法と同一にしてください。
フィクスチャの端子間距離が長い状態でOPEN補正すると、補正時のフィクスチャの浮遊容量が、実際の測定時の静電容量より小さくなります。
フィクスチャの端子間距離が測定するMLCC寸法と異なる状態でゼロ補正を行うと、フィクスチャ自身の浮遊容量が正確にゼロに補正されません。
OPEN補正時の端子間距離をMLCCL寸法より小さくすると、フィクスチャの浮遊容量が実際より大きい状態でゼロ補正されますので、補正後の測定結果は小さくなります。
逆に端子間距離をMLCCL寸法より大きくすると、補正後の測定結果は大きくなります。
OPEN補正時の端子間距離のばらつきは、挟み込み型フィクスチャ(例えばAgilent16034)を使用する場合より、ピンセット型フィクスチャ(例えばAgilent16334)を使用する方が大きくなります。
ピンセット型フィクスチャは、挟み込み型フィクスチャと比較して、測定端子先端の面積(式①のS)が大きいため、端子間距離の差異に伴う静電容量測定値の変動が大きくなります。