ノイズ対策技術 / 事例紹介(民生)
USB4におけるノイズ対策-4
INDEX
- USB4の規格と普及
- USBとThunderboltの統合
- Thunderbolt3とUSB4の仕様・比較
- USBで予想されるノイズ問題
- USB4のノイズ対策方法
- 放射ノイズ測定
- 放射ノイズ測定結果
- イントラシステムEMC-DUT(Thunderbolt 3対応add inカード)の概略
- イントラシステムEMC-Wi-Fi受信感度への影響の評価
- イントラシステムEMC-Wi-Fi受信感度の測定結果(対策なし)
- イントラシステムEMC-アンテナに結合するノイズの評価
- イントラシステムEMC-アンテナに結合するノイズ 測定結果(対策なし)
- イントラシステムEMC-近傍ノイズ測定(対策なし)
- イントラシステムEMC-対策部品の挿入ポイント
- イントラシステムEMC-受信感度 測定結果(対策後)
- イントラシステムEMC-アンテナに結合するノイズ 測定結果(対策後)
- 信号波形確認-アイパターン測定手順
- 信号波形確認-アイパターン測定
- まとめ
17. 信号波形確認-アイパターン測定手順
信号ライン上にコモンモードチョークコイルを使用してノイズ対策を行っているため、信号品位への影響も確認しました。確認を行った信号は、Thunderbolt 3です。
DUTからThunderbolt 3のテストパターンを出力させてCMCC通過後の信号品位を確認しています。
18. 信号波形確認-アイパターン測定
コモンモードチョークコイルを使用したことにより信号品位への影響がないか確認しました。
DUTからThunderbolt 3のテストパターンを出力させてCMCC通過後の信号品位を確認しています。
コモンモードチョークコイルを使用しても、信号波形品位はフィルタ挿入前と比べて同等となり、Thunderbolt 3のコンプライアンステストをPASSできています。
USB4も同じ信号速度(Max:20Gbps)であるため、波形試験はパスできると考えられます。
ムラタが推奨するコモンモードチョークコイル
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0.65×0.50×0.30mm寸法公差±0.05mmの小型・薄型タイプで高速差動伝送ラインの信号波形に影響を与えることなくノイズ対策が可能です。
19. まとめ
- 放射ノイズ
- USB4の動作環境を模擬して、ノイズ評価を行いました。
- 30~1000MHz、1~18GHzにおいて、放射ノイズが問題となることはありませんでした。
- Wi-Fi 受信感度
- PCI Express,DisplayPort1.4,Thunderbolt 3が動作した状態では、Wi-Fi受信感度が劣化します。
- 特にUSB3.1 Gen2動作時に、基板の配線から2.4GHz帯のノイズが確認されます。
- USB4の動作時にも同じノイズが発生すると予想されます。
- コモンモードチョークコイルを使用することで、Wi-Fi感度の劣化を改善させることができます。
- 信号品位
- 下記の推奨部品を使うことで、信号品位に影響を与えずノイズ対策を行うことができます。
ムラタが推奨するコモンモードチョークコイル
カットオフ周波数が高いため、高速信号への影響が少なく減衰特性のピークが深いため、ノイズ除去特性に優れています。