コンデンサガイド
コンデンサの基礎 【第1回】 コンデンサってどんな働きをするの?
本コラムはコンデンサの基礎を解説する技術コラムです。
第一回はコンデンサの概要を解説いたします。
【第一回】コンデンサの概要
電気回路のお話
まずは、電気回路の話とコンデンサの話をします。
<回路は道路、電荷は車>
1本の回路を道路とすると、電荷の移動は車の流れになります。
<抵抗は凸凹道路>
凸凹道路の場合、車はスピードが遅くなるが目的地を目指して走り続けます。電気回路の場合、抵抗で熱を発してエネルギーのロスが発生(ジュール熱)します。
<電源(電池)は電位差を付ける装置>
電源は接続した両端にE[V]の電位差を付ける装置です。車がエレベータで自分の力を使わずに、自動的に高さt[m]の位置に移動するのと同じです。
それではコンデンサは?
つづいて、電源にコンデンサをつないだ場合のお話をします。
<コンデンサは駐車場>
コンデンサは電荷を貯めることが出来ます。回路を道路と例えると、コンデンサ駐車場です。電子回路でプラス側とマイナス側には必ず同じ数の電荷が蓄えられます。
<電荷を蓄えられる能力、静電容量とは>
コンデンサがどれだけの電荷を蓄えることが出来るかを表す指標を静電容量と呼び、静電容量は(1)式で求めることが出来ます。
(1)式から分かるように、①電極面積Sを大きくする、②電極間距離を短くする、③誘電率の高い材料を使用することで、静電容量を大きくすることが出来ます。
静電容量の単位はSI単位系ではF(ファラッド)を用います。ある導体に1Vの電圧(電位差)を与えた時に、1C(クーロン)の電荷を蓄えた場合を1Fとしています。
<コンデンサの働き>
コンデンサは蓄えた電荷はスイッチS1がOFF、S2がONの時に負荷に電流が流れます。
コンデンサがあることによって電源電圧が不安定な場合でも、安定して電球が光ります。
<コンデンサは直流成分を透過せず、交流は透過する>
コンデンサは直流電流を透過しませんが、充電・放電現象を繰り返すと、コンデンサには充電電流と放電電流が繰り返し流れます。この現象は、コンデンサの外から観測すると、電流がコンデンサを通過して流れているかのように見えます。
これらの特性を生かして、回路では多数のコンデンサが使用されています。
その用途に合わせて、最適なアイテムを選ぶ必要があります。
担当:村田製作所 コンポーネント事業本部 SE統括部 Y.I & K.M
記事の内容は、記事公開日時点の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。