センサ低モーションgセンサ

微小容量変化を計測する単結晶シリコンの特徴と検出原理について説明します。

低モーションgセンサ

加速度センシングの原理はシンプルで信頼できる原理、すなわち慣性質量に関するニュートンの第2法則に従っています。

加速度センサのエレメントの基本構成はボディ、スプリングとマスです。センサボディの速度が変化すると、マスはスプリングを介して変化に従うような力を受けます。マスの変化には力が必要です。この力によってスプリングは曲げられ、ボデーとマスの距離が、ボデーの加速度に比例して変化します。

センサの作動原理は、ボデーとマス間の動き方の検出方法により異なります。容量式センサでは、ボデーとマスは互いに絶縁されていて、その静電容量 (荷電蓄積容量) が測定されます。距離が減少すると、静電容量が増加し、電流がセンサ方向に流れます。距離が増加すると、逆になります。センサはボデーの加速度を電流、電荷、電圧のいずれかに変換します。

基本とするテクノロジーはセンサの微小容量変化の計測で、優れた性能により、センサのわずかな動きを検出する用途に非常に適しています。加速度センシングエレメントは単体結晶シリコンとガラスでできています。それによりセンサには、時間と温度に関して、抜群の信頼性、無類の精度、傑出した安定性が備わります。

1gのセンシングエレメントは標準で50,000gを超える加速度に耐えられます (1g=地球の引力による加速度) 。容量式センシングエレメントはプラスとマイナスの両方向の加速度を計測し、静的加速度ならびに振動もセンシングします。

弊社の低g加速度センサと傾斜センサの心臓部は、対称にバルクマイクロマシニングで作られた加速度センシングエレメントで、2つのキャパシターを備えています。対称であるため、温度依存性とクロスアクシスが減少し、リニアリティが向上します。密封性は陽極接合 (ハーメチックシール) でウエハーを相互に接合することにより実現できます。

これにより、センシングエレメントのパッケージ化が容易になり、信頼性が向上し、センサ内でガスダンピングの利用が可能になります。

3軸検知

弊社の3軸加速度センサの設計コンセプトは、1軸加速度センサで用いられているソリューションを踏襲しています。3軸加速度センサエレメントには、1軸センサエレメントで培われた技術、バルクMEMSや静電容量検出機構などを活用しています。

バルクMEMS

センサエレメント内部には複数のマスがあり、このマスはシリコンウェハの表面近傍にあるトーションスプリングで保持されています。バルクMEMSで作られたこれらのマスは表面MEMSに比べて厚みや重さがあり、高感度・低ノイズを実現しています。

検出結果は、これら複数のマスのベクトル合成結果になります。マスの上下に静電容量検出機能が構成されています。このマスに加速度が加えられると、トーションスプリングにより、マスは回転方向に動かされます。この動きに合わせて、マス上下の静電容量が変化します。

複数のマスのベクトル成分を内部ASICで合成計算し、製品のX、Y、Z方向の検出加速度として出力します。計算結果により、3軸いずれも高精度な線形応答が得られます。