空中超音波センサアプリケーションガイド-利用方法・用途-

ここでは超音波センサのアプリケーションガイドとして・距離検知原理・PAS(パーキングアシスト)用途・人体検知・重送検知など、ご利用方法・用途などをご紹介します。
他にもコンベアの物体検知、自動ロボット掃除機の障害物検知などにもご利用いただけます。

距離検知原理

距離検知原理について

時間×音速(約340m/s)=物体までの距離(往復分)
送信スタートから反射波受信までの時間を測定します。

距離計測

検知結果

PAS用途

PASとは?

障害物(壁など)との距離を計測、近接をドライバーに知らせます。

PASの基本動作

パルス信号を発信し、障害物で超音波が反射し、反射波を受信するまでの時間から距離を計測する。
パルス信号を発信するときにクロックパルスを発信しクロックで時間を計測する。
反射時間(s) x 音速(340m/s) =障害物までの距離(往復)

PASに必要な特性

  • 後方の壁は検知しても、縁石は検知しないこと
  • 搭載数を少なくするために、1個で広い範囲をカバーできること
  • ギリギリまで近接したことを検知できること

垂直方向は狭く、水平方向は広い指向性
残響時間が短い
という特徴を持ったセンサが望まれる

人感検知

人感検知とは?

1st frame と 2nd frame で受信信号波形が異なる
⇒ 移動した人(物体)がある

  • 時間毎の変化を記録しておく必要がある(ある程度の演算処理が必要)
  • 最短距離の変化を見る方法が比較的簡単
  • MA40H1S-R、MA40S4S/Rどちらでも実現可
  • アルゴリズムの構築が必要

重送検知

重送検知とは?

スキャナーや印刷機で紙が2枚同時に給紙されることを重送検知という。特に業務用スキャナでは小切手や官公庁の書類のスキャンをすることが多く、重送を検知した時に給紙を止める重送検知機能は必須である。

重送検知の原理

音波は紙で反射され輻射波は小さくなる

薄紙1枚
輻射される音圧は高い
厚紙1枚
輻射される音圧は低い
紙2枚
2枚のシートの間に空気層があることによりそこでも音波の反射が起きる
⇒1枚目のシートから二次輻射される音波が著しく小さくなる(PPC用紙で約1/100m)

超音波以外の方式

接触式(紙厚計測)

紙の枚数の検知が難しい
(薄い紙2枚と厚い紙1枚の違い)
紙厚みに対して補正が必要

光透過式

紙の色の影響を受ける
透明な紙は検知不能

重送検知の特性

機械的な接触が不要で磨耗しない
紙の厚みや紙質による補正が不要
透明な紙でも検知可能(色の影響を受けない)

対応できない用途

以下の用途についてお問い合わせを頂くことがあります、弊社製品では対応できない用途もございます。下記をご確認ください。

水道メータ/液体識別/液体流用測定

弊社製品は空気中にて超音波を伝搬させております。液体や固体では使用できません。

自動ドア/自動手洗い器

自動ドア用途では屋内で広域での検知では使用可能ですが、対象者以外に反応してドアが開閉してしまうことが多いので、現在の主流は光学式センサかタッチセンサとなっております。 自動手洗い器も近距離検知用途/また防滴タイプが必要なことから超音波では対応できません。光学式が主流です。

果樹園への無人薬剤散布ロボット/ロボット芝刈り機

屋外使用のため、防滴型が必要ですが、弊社防滴型は車載用途限定のため、ご使用いただけません。

産業用及び物流ロボット

使用環境や耐久性能などにより使用できない可能性があります。弊社営業にお問い合わせください。

動き検知による入浴者の無事確認

防滴型でなおかつ送信/受信専用タイプが必要となります。弊社防滴型は車載用途限定なおかつ送受兼用タイプのため、ご使用いただけません。