各回路定数には次のような役割があります。
Rf: 帰還抵抗 (Feedback Resistor)
発振回路のバイアスを定める抵抗で、C-MOS ICでは100k~10MΩ (通常1MΩ) が使われます。TTL ICでは入出力インピーダンスが低いため1kΩ~10kΩ (通常4.7kΩ) としています。大きすぎると帰還量が減って動作点が不安定になり、小さすぎるとゲインの低下や、電流の増大につながります (最近は多くのICに内蔵されます)。
Rd: 制限抵抗 (Damping Resistor)
負荷容量とローパスフィルタを形成し、高域のゲインを低下させることで、高周波の異常発振を抑えられます。またICのゲインを制限し、ICとセラロックのマッチングがよくなりますので、不要なリンギングが減り、オーバーシュートやアンダーシュートを抑えることができます。kHz帯では数kΩ,MHz帯では数十~百Ωにしますが、特に必要のない場合は不要です。
C1/C2: 負荷容量 (Loading Capacitor)
発振回路の安定性を定める最も重要なパラメータです。小さすぎると波形が歪み不安定になり、大きすぎると発振が停止しやすくなります。同じICならば、周波数が低いほど大きな容量が必要になります。
Rb: バイアス抵抗 (Bias Resistor)
ICのゲインが高すぎる場合や、TTL、3段バッファICにおいて、ICのゲインやバラツキを抑えるため故意にバイアス点を変えるときに使用します。C-MOSICで1MΩ~10MΩ、TTLでは数kΩ~10kΩが使われます。
各定数の値は使用するIC、セラロックごとに異なりますので、別途お問い合わせください。