セラロックを使用する発振回路のインバータはC-MOS 1段インバータで構成するアンバッファ形 (4069UB/74HCU04) 系をお奬めしています。それ以外の3段インバータで構成する3段バッファ形 (4049/4011/74HC04) やシュミットトリガ形 (74HC132) でも発振しますが、異常発振しやすいので、お奨めしておりません。これは、3段バッファ形やシュミットトリガ形ではゲインが非常に高いため回路のCRや配線のLCによる発振、あるいはリング発振 (ゲートの遅延時間による発振) がセラロックの波形に重畳するためです。CR/LC/リング発振は回路定数を工夫することにより、若干減らすことはできますが完全に取り去ることはできません。
発振回路はクロックを定める、いわばセットの心臓です。NANDやNORのゲートICは3段バッファ形となっていますので、発振回路で使用すると異常発振しやすいのでお奨めしておりません。発振のON/OFF制御するには発振回路内にてゲートICを入れるのではなく、発振回路の出力を制御する方法が適切です。余ったゲートICで発振回路を構成したり、発振回路内にON/OFF制御をいれるのではなく、充分考慮された専用の発振回路が必要です。
なお、最近は発振回路のために、アンバッファゲートを2個だけ内蔵したICもあります。
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●異常発振しやすい構成
×3段バッファのIC
×発振ループ内でのON/OFF制御あり
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●安定な発振が得られる構成
○アンバッファ形のIC
○発振ループ内にON/OFF制御なし
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