トップメッセージ

どんな時代にも、お客様に、社会に必要とされる存在であり続け、エレクトロニクスが実現する未来の発展に貢献する

私たちを取り巻く社会の変化

あらゆる"モノ"の電子化・広がるムラタの事業機会

ラジオ、カラーテレビ、カメラ、コンピュータ、携帯電話、スマートフォン。これら時代を象徴する電子機器の登場は、人々の生活を豊かなものにしてきました。ムラタの歴史は、そのような社会の歩みとともにありました。それぞれの時代が求める製品の機能の実現に寄与することで、ムラタは世の中に貢献し、求められる存在であり続けてきました。そして、今私たちの身の回りでは、あらゆる"モノ"の電子化が進んでおり、さらにムラタのイノベーションによる新たな価値創出が求められる時代になりつつあります。
近年電子部品市場を牽引し、ムラタの急成長の原動力となったスマートフォンについては、台数の伸びは落ち着いてきているものの、多機能化によって1台あたりの搭載電子部品数は飛躍的に増えています。5Gの導入をはじめとする通信の高速化・高機能化も追い風となり、今後も当社事業の柱として成長していく分野です。
自動車産業で起こりつつある変化もムラタにとって見逃せません。欧州や中国・インドなど諸外国では、国を挙げてガソリン車やディーゼル車から電気自動車(EV)にシフトする動きが鮮明になっています。これらEV化の加速によって、2040年時点で、全世界の新車販売に占めるEV比率が5割を超えるとの予測も出ています。さらに、EV化の流れと同時に自動運転車の開発も加速しています。高速道路における車線・車間の維持や、渋滞時の前走車追随などの自動化は、先進運転支援システム(ADAS)の一部として既に普及が始まっており、安全走行のためのセンサ類の搭載が増えつつあります。これに加え、車外とのデータ通信量の増大にともなう高速無線通信(V2X)や、大量のデータを車内でリアルタイム処理するためのコンピュータシステムの搭載も必要となります。中期的な部品需要という点では、EV化・自動運転化の進展により、1台あたりの電子部品の使用個数が、内燃機関の自動車に比べ大幅に増えると言われています。
スマートフォン、自動車における電子化がさらに進むと同時に、IoT社会の進展も注目すべき動向です。あらゆるモノが通信を介してつながるIoT社会の拡がりを背景に、ネットワークに接続する機器の数が大幅に増えていきます。さらに、これらの機器から集積されるデータを処理・保存するための基地局やサーバー、AIを使った新たな価値創造に使われる高速コンピュータ等の需要拡大を考慮すると、そこに使われる電子部品の需要も、これまでとは桁違いのスピードで成長し、新たに膨大な数の電子部品が必要となります。

機会(チャンス)を確実に捉えるムラタの強み

ネットワーク、技術開発力、モノづくり力
これらを総合する組織連携力

ムラタにはこれらの拡大する事業機会を確実に捉え、成長を持続させていくことを可能とする3つの強みがあると考えています。
まず1つ目は、「顧客のニーズをスピーディーに捉えることができる"グローバルネットワークと顧客層の厚み”」です。創業以来、ムラタはコンデンサに代表される汎用電子部品を主力事業としてきました。これらの汎用電子部品は、幅広い電子機器に数多く使用されており、世界中のさまざまなお客様と接する機会があるため、いち早く新たな市場の情報やニーズをつかむことができます。ムラタはこれまで世界各地のお客様のさまざまなニーズにお応えし、製品やサービスを安定して提供できる体制を確立してきました。現在では海外市場向けの売上が90%以上を占め、数多くの製品がグローバル市場でトップシェア、またはNo.2のマーケットシェアを獲得しています。さらに、このムラタのグローバルネットワークは、自社グループ組織のネットワークで大部分が構成されているため、強固な連携が可能となっています。これにより、さまざまな業界の多くのお客様とコミュニケーションをすることができ、お客様のご要望や新たなニーズをいち早く把握することが可能となっています。
2つ目は、「お客様のニーズを形にできる"技術開発力”」です。ムラタでは、電子機器市場のトレンドが変化していく中、時代とともにお客様の多様化するニーズに応えるべく、単機能部品の小型化・高性能化から高機能化したデバイス部品へ、さらにはそれらを組み合わせたモジュール、そしてソリューションへと提供できる価値の領域を広げてきました。ユニークで競争力の高い製品を生み出すため、他社に先行した技術開発に取り組み、かつ多くの製品で材料開発、プロセス開発、商品開発、生産技術開発を自社で行っており、これらを垂直統合することでスピーディーに製品化を実現しています。
3つ目は、「製品を大規模に量産しお客様にタイムリーにお届けできる"モノづくり力”」です。ムラタでは長年にわたり各工場が主体性やこだわりを持って工程改善活動を行い、生産性やコスト競争力を高めてきており、これらの技術やノウハウの蓄積により、確実かつスケールの大きな生産が可能となっています。特にムラタの代表的
な製品である積層セラミックコンデンサの生産量は、非常に複雑な製造工程にもかかわらず年間1兆個を超えており、製造業でもトップクラスの規模となっています。
そして今までお話ししてきた、ネットワーク、技術開発力、モノづくり力といった3つの強みを融合させているのがムラタの組織連携力です。ムラタではバリューチェーンを構成する各機能が緊密に連携できており、個々の強みを組織の強みにつなげることで、お客様により良い価値を提供することに努めています。

強みを支える原動力

「社是」の浸透、CSとESがドライブするイノベーション

このように、ムラタが創業以来、変わらずに独自の強みを発揮できているのは、従業員全体で共有している理念と価値観が原動力となっているからです。
もっとも重要な位置づけにあるのが、創業者により定められた「社是」の共有です。ムラタでは、「社是」を経営活動の大きな指針となるフィロソフィーとして位置づけています。事業規模が拡大し、従業員が多様化する中でも従業員が一体感をもって連携し総合力を発揮するためには、共通理念としての「社是」が全従業員に浸透していることが重要と考えています。たとえば、社是の中で謳われる独自性は、ユニークな製品によりその付加価値を高めて価格競争を回避することだけでなく、あらゆる仕事において、開拓者精神を発揮することの大切さを示しています。また、文化の発展への貢献は、社会において当社の存在意義がどこにあるのか意識し続けることにつながっていきます。
近年、ムラタが大切にする価値観として打ち出している”CS“と”ES”の重視も、先ほどに加えて「これを喜び感謝する人々とともに運営する」という社是の一節など
から派生した考え方です。
”CS“とは、「お客様が認めてくださる価値を創造し、提供すること」”ES”とは、「仕事を通じて従業員一人ひとりがやりがいを感じ成長し続けること」と定義しています。
ムラタでは、CSとESという価値観を大切にすることで、事業活動において好循環のスパイラルを生み出し、新たなイノベーションの創出につなげています。その好循環のサイクルがさらにムラタの強みを増強する原動力となっているのです。

私たちのあるべき姿

“Innovator in Electronics”として、新しい未来の発展に貢献する

製品・サービスを通じた社会への貢献に加えて、さまざまな社会的責任を果たすため、ムラタは経営理念を基軸とするCSR憲章を定め、CSR統括委員会を組織しています。持続可能な社会の実現に貢献し続けるためには、ムラタが持続可能な企業でなければなりません。そのためには、気候変動をはじめとした環境問題や人間としての権利を毀損する人権問題など、さまざまな社会問題と向き合う必要があります。
そして、2030年をゴールとした世界の課題である持続可能な開発目標(SDGs)もムラタが向き合うべき大きな社会的課題です。事業を通してムラタが課題解決に貢献し、社会に新たな価値を創出していくことが、私たちの使命でもあると考えています。
私たちムラタの目的は、人々の本当の意味での豊かな暮らしの実現に貢献していくことにあります。そのために、自分たちのあるべき姿を”Innovator in Electronics"という言葉で表し、我々がエレクトロニクス産業のイノベーションを先導すること、環境や社会に対して主体的により良い方向に働きかけることを体現すべく情熱を注いでいます。
今、ムラタのネットワークは世界中に広がっています。世界中のお客様に喜んでいただける価値を提供し、豊かなより良い未来づくりに貢献し続けるためには、世界中の従業員一人ひとりがつながり、イノベーションを創出していくことが重要です。社是に込められた想いを大切にしながら、これからも新しい未来に貢献し続けるムラタのストーリーをつくっていきます。

村田製作所 代表取締役会長 兼 社長
村田 恒夫

ムラタの経営理念