化学物質と環境リスクの管理

ムラタでは、事業活動が地域社会に及ぼすリスクの最小化と問題発生時の迅速な対応に努めるとともに、ムラタの環境保全活動について地域の方々にご理解いただくため、会社見学会を開催するなどの情報公開にも努めています。

環境リスクの回避


環境事故・汚染防止

ムラタでは、化学物質による汚染を重要な環境リスクと認識し、その回避に努めています。特に影響の規模や期間を考慮し、化学物質の貯蔵や事業所内移送に関連する設備について、未然防止のための4つの自主基準を定めて対策を実施しています。

産業廃棄物については、国内外ともに法的な許可を有する専門業者に委託し、定期的に委託先処分場を視察することで適正に処理されているか確認しています。また、工場建設の際には、土地の形質変更にともなう土壌汚染などのリスクを低減するため、調査を実施しています。

なお、2017年度も、重大な環境事故や環境法規制の違反はなく、違約金・罰金はありません。

未然防止のための自主基準 (設備関連)

  • 地下埋設タンクの原則禁止
    燃料・有機溶剤・酸・アルカリの新液・廃液の貯蔵タンク、排水処理の原水槽は地上化を原則とする。やむを得ず地下に設置する場合には必ず二重化する。
  • 浸透防止塗装
    燃料・有機溶剤・酸・アルカリの新液、廃液の取り扱い場所は、浸透防止塗装もしくはステンレス製の受け皿を設置する。
  • 地下埋設配管の禁止
    燃料・有機溶剤・酸・アルカリの新液・廃液、工程排水の移送配管は架空とする。
  • 緊急遮断装置
    タンクローリーなどによる新液受け入れや廃液引き抜きの作業場所は、事故発生時の敷地外への漏えいを遮断できる構造とする。
無錫村田電子有限公司の架空配管
無錫村田電子有限公司の架空配管
PHILIPPINE MANUFACTURING CO. OF MURATA, INCのローリーヤード
PHILIPPINE MANUFACTURING CO. OF MURATA, INCのローリーヤード
穴水電子工業の緊急遮断弁
穴水電子工業の緊急遮断弁

地域住民との環境リスクコミュニケーション

ムラタでは、事業活動が地域社会に及ぼすリスクの最小化をCSRの重要な課題と認識し、問題発生時の迅速な対応に努めています。

2017年度は、グループ内で騒音や植栽について、17件の苦情がありましたが、地域住民の方々と相談のうえ、速やかに対応しました。

また、環境保全に積極的に取り組んでいることを地域の方々にご理解いただくため、会社見学会を開催するなど情報の公開にも努めています。


鯖江村田製作所地域住民の会社見学会
Community tour of Kanazu Murata Manufacturing
イワミ村田製作所地域住民の会社見学会

化学物質管理

ムラタは、持続可能な社会システムを目指して、地球環境への負荷が少ない製品の提供に努めています。

RoHS指令やREACH規則などの法令遵守はもとより、環境負荷物質のグローバル・トレンドやお客様からのご要求を取り入れたムラタの自主基準を設け、下図のような管理体制で、製品に含有される環境負荷物質の削減・禁止に積極的に取り組んでいます。

更にムラタは、環境負荷物質の法改正にも先回りの対応を実施しています。

現在のRoHS指令では、EUで販売される電子・電気機器に対して6種類の化学物質の含有が制限されています。2019年7月22日から施行される改正RoHS指令では、新たに4種類の特定フタル酸エステル類の含有制限が追加されます。

 ムラタでは改正RoHS指令の施行に先立ち、2017年7月から新規開発製品に対し特定フタル酸エステル類の含有を禁止しています。また、特定フタル酸エステル類を含有している既存製品に対しては、代替製品の準備を進めています。

このようにムラタは、環境負荷物質の削減においても、社会・地域・お客様のご安心を第一に取り組んでいます。

製品に含まれる環境負荷化学物質の規制表 (一部抜粋)

工程で使用される環境負荷化学物質の規制表

環境汚染物質の管理

ムラタは、国内事業所で取り扱っている化学物質に関する情報を登録したデータベースを構築し、個別の化学物質の使用実態を容易に把握管理できるシステムを運用しています。

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律 (PRTR法) 」における排出・移動量の算定の際には、このシステムを利用して算出を行っています。

この法律における報告対象物質462物質群のうち、2017年4月1日~2018年3月31日に国内グループ全体において1t以上の取り扱いがあったものはトルエン、キシレン、鉛及びその化合物など27物質群でその量は以下のとおりです。


PRTR物質の使用量と排出・移動量 (国内合計)

2017年度

2016年度

2015年度

大気汚染物質の排出抑制

大気汚染の原因の一つである揮発性有機化合物 (VOC: Volatile Organic Compound) の排出抑制を自主的に取り組んでいます。揮発性有機化合物の使用量の多い事業所には、排ガス処理装置 (RTO) を導入しており、昨年は出雲村田製作所、無錫村田電子有限公司で増設しました。生産の増加に伴って使用量は増加していますが、自主取り組みによって使用量の96%を除去しています。


揮発性有機化合物使用量と大気排出率の推移 (国内)

土壌・地下水汚染の調査・浄化

生産拠点で汚染調査・浄化対策を実施

ムラタでは、過去の事業活動によって発生した土壌・地下水汚染に対し、いち早く調査を実施し、早期の浄化完了を目指して、積極的な対応を進めてきました。

土壌の性質、汚染濃度、汚染源の位置によって原位置バイオ法、原位置鉄粉法、原位置酸化分解法、その他最新技術を導入し使い分け浄化を進めています。さらに敷地境界域に井戸を設置して、地下水の浄化状況を監視しています。