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REACH規則※1対応含有化学物質情報入手システムEP-NETの導入

2010/02/16

株式会社村田製作所
代表取締役社長 村田 恒夫

REACH規則

要旨

村田製作所グループ (以下、ムラタ) はこのたび、EUのREACH規則に適切かつ効率的に対応するため、2010年1月より含有化学物質情報入手システム「EP-NET」を導入しました。

今回導入したシステムにより、仕入先様と過去情報の共有や、業界フォーマットからムラタ標準フォーマットへの自動変換などが可能となり、仕入先様およびムラタの双方において大幅な業務効率アップが見込めます。

今後、システムの範囲を広げ、最終的には得意先及びEU当局への情報提供を効率化する「化学物質管理システム」を完成させます。

背景

EUのREACH規則施行に伴い、情報提供の対象となる物質 (SVHC) の適切な把握・管理が求められています。その数は増加し続けており、最大1,500にもなる可能性があります。このような状況から、川上企業 (仕入先様) との情報連携を強化し、SVHCの情報伝達をスムーズに行なう必要があると考え、当システムを導入しました。

また、システム導入には仕入先様の十分な理解が必須であることから、仕入先約600社に対して全国各地のムラタグループ事業所で説明会を実施しました。

EP-NET概要

  1. WEBを利用してムラタから仕入先様へ含有化学物質情報の提出を依頼する。
  2. 要求を受けた仕入先様は回答書を作成し、WEBを利用してムラタに提出する。
  3. ムラタは回答書の内容を審査後、当情報をシステム内のデータベースに掲載し、関係部門が随時照会し活用する。 (お客様への含有化学物質情報の提出、業界標準フォーマットへの落とし込み等)
  4. 当情報の提出依頼〜作成・提出までの進捗を、WEBを利用して 仕入先様/ムラタ双方が随時照会する。

EP-NET特長

  • 情報のやり取り〜審査〜データベース登録をペーパレス化したことにより、双方の関連業務がスピードアップ。
  • 過去の含有化学物質情報を共有化することにより業務効率がアップ。
  • 業界標準フォーマット (AIS※2、MSDSplus) で作成した情報をムラタ調査書フォーマットに自動変換可能に。従来は仕入先様からムラタ調査書フォーマットにてデータを提出してもらっていたが、システム導入により、業界標準フォーマット (AIS、MSDSplus) にて提出いただくことが可能になり、仕入先様の業務負荷軽減に貢献。
  • 得意先への含有化学物質情報の提出に備え、REACHで指定された化学物質以外にムラタが独自で指定した環境負荷化学物質もカバー。

今後の予定

新化学物質管理システム

今回、第一段階として、仕入先様からの化学物質情報の入手・管理システムを導入しましたが、今後速やかに、以下の内容を備えたシステムを完成させる予定です。

  • 部資材→製品への化学物質含有情報の変換
  • 業界標準フォーマット (AIS、MSDSplus) に即した形での、化学物質情報の得意先様への提供
  • 製品中の化学物質含有情報の集計とEU当局へ届出可能

ムラタは今後も、REACH規則対応にとどまらず、化学物質管理を積極的に推進していきます。

用語説明

※1REACH: Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicalsの略。EUにおいて、2007年6月1日からスタートした化学物質の取り扱いに関する規則。化学物質だけでなく、成形品に含有することで環境や人の健康被害が懸念される物質 (高懸念物質: SVHCと呼ばれる) についても、川下企業や消費者への伝達や欧州化学物質庁への届出を義務付けている。
※2AIS: Article Information Sheetの略。日本の業界団体JAMP※3が策定した成形品の含有化学物質情報を開示するシート。
※3JAMP: Joint Article Management Promotion-consortiumの略。日本語名称は、アーティクルマネージメント推進協議会で、素材、部品、完成品メーカーで構成される、製品に含有する化学物質管理方法の共通化を目的に設立された協議会。

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。

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