※開発品のため、外観は量産時に変更する可能性があります
株式会社村田製作所は、太陽光発電向けに1kW出力のミニインバータを開発しました。現在、太陽光発電向けで一般的に使用されているストリングインバータ(パワコン)*1に比べ、小型、長寿命、高発電量などの特徴があり、さらに施工やメンテナンスが容易なため、システム全体のコスト削減が可能です。
なお、当開発品は、2016年6月29日~7月1日にパシフィコ横浜で開催される「」に展示いたします。
一般的な太陽光発電ストリングインバータは、ストリング設計や配線工事が複雑で、なおかつ影の影響を受けやすいなど環境耐性が低く、発電量の減少や発電停止、短寿命などの課題がありました。一方で、これらの課題を解決するマイクロインバータが米国で普及しつつありますが、コストが高い、変換効率が低い、系統連系規程*2への対応が不十分といった課題が残っていました。
そこで当社は、ストリングインバータとマイクロインバータの利点を融合したミニインバータを開発しました。当社独自の高効率マルチレベル回路技術*3を用いたコンパクト設計(小型・薄型・軽量)と密閉構造により、一般的なストリングインバータと比べて省スペースで設置場所の選択肢が広がります。さらに、小型ながら出力1kWを確保しているため、最適な分散化システムの構築、細かな単位での管理、施工や故障への対応が容易になります。また、マイクロインバータの課題である高効率、高発電量も実現しています。ミニインバータで、関連機器や部材、施工、メンテナンスを含む太陽光発電システム全体のコスト削減、さらに地球環境の問題解決に貢献してまいります。
*1パワコン…パワーコンディショナーの略。ストリングインバータの別称。
*2系統連系規程…系統連系に関する協議を円滑に進められるように、電気事業者と発電設備等設置者間における技術的な要件を具体的に示したもの。太陽光や風力、水力などの分散型再生エネルギー発電設備が電力事業者の配電系統に連系することが多く、連系インバータは規程の要件を満たす必要があります。
*3 マルチレベル回路技術…ストリングインバータの回路方式のひとつ。
*4 単一障害点…その単一箇所が働かないと、システム全体が障害となるような箇所。
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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