すでにエネルギーハーベスティングに関するいくつかの製品を送り出した市場の評価を得て、さらなる新製品の開発に取り込みたい

発電の研究と製品化一つひとつ作り上げ市場に問う

エネルギー関連の市場開拓はこれからだが、その関連の研究開発と製品作りは着実に進んでいる。昨年のCEATEC JAPAN 2011には、エネルギーハーベスティングに関するいくつかの製品を送り出した。例えば、身の回りのわずかなエネルギーを電気に変換し、消費電力の少ないセンサや無線と組み合わせる技術。実は、2008年頃から発電の研究を進めており、現在は4つの発電素子を持っている。いずれも振動や熱、光などの環境エネルギーといわれるものをベースにしており、その場で発電し、感知し、信号を送り出す。配線レスなので、メンテナンスのしにくい場所でも長期間使える。

また、通信もバッテリーレスで無線発信でき、エネルギーハーベスティングに最適といわれ、欧米では300社以上の企業が採用しているEnOcean®通信のアライアンスに加わり、その通信モジュールも開発している。

地道ながら、こうした製品を一つひとつ作り上げ、製品として使ってもらいながら反応を見ていく。やはり、ものづくりは一気に進むものではなく、改良を重ねて完成へと近付けていくものだと思う。エネルギーに関する市場は、開花したばかりでまだまだ発展していくだろう。特に、今の日本のエネルギー施策に関しては世界が注目している。そうした中で、あまり背伸びはせずに、部品供給という分野にこだわりながら、従来の技術を生かして貢献していくことを考えたい。

エネルギーハーベスティング (Energy Harvesting)

身の回りのわずかなエネルギーを電気に変換し、消費電力の少ないセンサや無線などと組み合わせる技術。いずれも振動、熱、光など、環境エネルギーを元にしており、長期間メンテナンスフリーで使えるエネルギー源として注目されている。ムラタでは、2008年よりエネルギーハーベスティングによる発電の研究を進め、すでに4つの発電素子を開発している。

  1. 圧電体を使用した発電素子: 圧電体を使い、力や振動を電気に変換する
  2. エレクトレット材料を使用した発電素子: エレクトレット膜を使い、振動を電気に変換する
  3. 熱電材料を使用した発電素子: 熱電材料を使い、温度差を電気に変換する
  4. 増感色素を使用した発電素子: 光を受けると電子を放出する色素を使い、光を電気に変換する
Energy Harvesting

EnOcean® (エンオーシャン) 通信

独Siemens社からスピンオフして設立されたEnOcean社が開発したエネルギーハーベスティング関連機器に向けた通信規格。
技術の特長はバッテリーレス無線発信技術にあり、欧米では300社以上の企業が同社の技術を採用し、約650種類以上の製品を市場で販売しているといわれている。

主な応用製品はビルオートメーションで用いられる照明スイッチ、空調制御機器などで、欧州を中心に20万以上のビルでの採用実績がある。ほかの無線通信仕様、例えばZigBee®に比べおよそ10分の1以下の消費電力で通信が可能。ムラタでは、内蔵バッテリーが不要な点を生かし、応用可能な製品の拡大を行っている。