最初はセンサとネットワークで貢献できるだろう。これまでムラタが民生機器や携帯電話で培ってきた技術が生きる世界だ

住宅関連で進む電力のスマート化、EVバッテリーを含めた電気の使い方

スマートハウスやスマートライフといわれるように、電力のスマート化は住宅関連で進んでいる。この分野は、ムラタとしては未知の分野で、どのように事業を開拓していくかが大きな課題だ。

経済産業省が補助金などで支援する代表的なの実証実験は全国で4つ。横浜市と愛知県豊田市、京都府、大阪府、奈良県にまたがるけいはんな学研都市、そして北九州市。豊田市では電気自動車 (EV) を含めたエコカー約4,000台の普及を目指しており、EVのバッテリーをも含めた電気の発電と送電と蓄電を考えている。

EVの走行距離は約100kmほどだが、そのエネルギーは住宅なら1日分のエネルギーに相当するという。夜間に充電しておき、昼間、車に乗らなければ、その電力を使って住宅内の空調や光熱を賄う。電気の使い道として、家で快適に使うか、ドライブに行くかという選択。これが究極のスマート化だと思うし、消費者の感性に訴えるという意味で興味深い実験でもある。

Mr. Hiroshi Iwatsubo

センサとネットワーク、これまで培ってきた技術で貢献

住宅産業へのアプローチについては、コンソーシアムなどを利用する。前述のスマートシティで、行政が主導するものは4つだが、住宅メーカーや電機メーカー、家電メーカーなど、民間企業が主導するプロジェクトは全国で20以上にも及ぶとされる。それぞれが関連する企業を巻き込んでコンソーシアムを構成しており、ムラタもそれらへの積極的な参加を試みている。

HEMS (ホームエネルギーマネジメントシステム) といわれるコンセプトがある。どれだけのエネルギーが、いつ、どこで、何に使用されているかを「見える化」する技術。住宅中の機器を一括してコントロールしたり、自動的にエネルギー使用量を最適化したりする制御技術。やがては家電製品、自動車、発電装置が結びついて管理される時代が来る。このシステムの中で、ムラタなら、最初はセンサとネットワークで貢献できると考えている。

人や動物の動き、その場の明るさ、温度差などを感知して、何らかの信号を送り出す。それをネットワークでつなげて、一つのシステムとして管理する。これまでムラタが民生機器や携帯電話で培ってきた技術が生きる世界だ。こうした技術になると、これまでのお取引先である電機メーカーや家電メーカーは理解が深く、ムラタが何ができるのかをよく知ってもらっている。すでにいくつか課題もいただいており、その解決策から取り組んでいける。

スマートシティ

家庭内のエネルギー消費が最適に制御されたスマートハウスをコアに、地域の電力を有効に使い、熱や発電も含めたエネルギーの多面的な活用を図り、さらに地域の交通システム、市民のライフスタイルの変革などを複合的に組み合わせた次世代社会システムの概念。
世界各地で実験が始まっており、将来は巨大市場に成長する可能性がある。経済産業省が選定した横浜市・愛知県豊田市・けいはんな学研都市・北九州市の全国4ヵ所で実証実験を開始している。

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