故西垣進博士を中心に、Pb、Cd、Crという有害物質を含まないLTCC基板として、LFC®基板を開発した。
LFC®基板は、CaO-Al2O3-SiO2-B2O3系ガラスとAl2O3フィラーよりなるセラミックスで、結晶相としてアノーサイトを析出させることで強度や化学的安定性を得るという特徴を有し、1985年と1986年にISHM (注)で発表した際には、Best Paper賞を受賞するなど高い評価を受けた (1) (2) 。
Ag導体との同時焼成を可能とするため、Ag粒径の厳密な管理等により、収縮タイミングのマッチングや密着強度および良好な印刷性を確保している。また、表面にRuO2系抵抗体も形成可能であるが、車載用として信頼性を高めるため、特に基板との熱膨張差に着目して材料開発を行い、-40℃~+150℃の温度サイクル試験で3,000サイクル後でも±1%以下の変動に抑制している (3) (4) 。