プロダクツ&マーケット

車載用セラミックコンデンサ

    Ceramic Capacitors for Automobile-Specific Conditions Such as High-Temperature Environment and Large Electric Power Circuits

一般の電子機器と比べたとき、自動車には、電子制御装置 (ECU: Electronic Control Unit) の高温環境での動作や電子回路の大電力化といった特有の要求があります。ムラタはこうした自動車特有の要求に対応した車載用セラミックコンデンサを製品化し、自動車の高機能化と電子化を支えています。

より安全、快適に、環境に優しく―。
こうした要求を満たすべく高機能化・電子制御化が進む自動車において、今や1台に数千個ものセラミックコンデンサが使用されています。自動車用途向け高信頼性チップ積層セラミックコンデンサとして車載用125℃保証GCMシリーズを製品化していますが、エンジンルーム内やトランスミッション・ギアボックスなど電子制御回路が125℃を超える環境で設置される場所もあります。ムラタは150℃保証かつセラミック基板への導電性接着剤での接合実装にも対応したGCGシリーズを商品化し、自動車特有の高温環境での回路動作に対応しています。

また、自動車の高機能化による電子制御装置の増加や電気自動車・ハイブリッド車の台頭で、電子回路への給電もより大電力となっています。こうした大電力回路に対応して商品化したのが金属端子付きセラミックコンデンサKCMシリーズで、これまで非セラミックタイプのコンデンサでしか対応できなかった電子回路でもセラミックコンデンサの採用が進んでいます。さらに電気自動車のモーター駆動IGBT (Insulated Gate Bipolar Transistor) 回路用平滑コンデンサや非接触充電設備用共振回路コンデンサ向けには大電流対応EVCシリーズで対応しています。

EVCシリーズはセラミックコンデンサの特徴を生かして部品発熱を抑え、かつ非セラミックコンデンサ使用時に比べて大幅な装置の小型・低背化が可能となります。

KCM Series/GCG Series/EVC Series

車載用セラミックコンデンサの技術トレンド

Technological Trends for Automotive Ceramic Capacitors

車載用コンデンサKCMシリーズ

車載電子機器の中でも、特に大型サイズの積層セラミックコンデンサの場合、激しい温度変化による基板の膨張伸縮の影響を受けやすく、基板と外部電極の接合部分にクラックが発生する場合も少なくない。また振動や機械的衝撃によって発生するコンデンサ本体のクラックへの対策も必要であった。そこで、弾性作用を持つ金属端子を付けることにより、コンデンサ素体への衝撃を軽減。熱および機械的衝撃による応力を緩和し、高信頼性を実現するとともに、2個のコンデンサを積み重ねることで、実装スペースを削減することに成功した。定格電圧25~630Vの製品を用意している。

KCM Series Capacitors for Automobiles

車載用コンデンサEVCシリーズ

電気自動車やハイブリッド車などに搭載するモーター駆動用インバータの平滑・スナバ、および非接触充電設備用共振向けの大容量積層セラミックコンデンサ。外形寸法は16×20mmで、汎用品の中で最大容量のものに比べても容量は約25倍に相当する。また、セラミックスの特徴を生かして、耐高温、高許容リップル特性を実現でき、非セラミックコンデンサ使用時に比べて大幅な装置の小型化に貢献できる (許容リップルは20Armsを超える) 。

EVC Series Capacitors for Automobiles