Pick Up
Language
近年、スマートフォンをはじめとする小型モバイル機器の高機能化にともない、搭載部品に対して小型化、薄型化への要求は高まってきています。ムラタはこういったニーズに対応するため、世界最小0201 (0.25mm×0.125mm) サイズチップインダクタの開発を行っています。
近年、エレクトロニクス製品の中で、スマートフォンやタブレット端末に代表されるモバイル機器の市場が大幅に伸張しています。また、より高速・高画質でゲームや写真・動画・音楽を楽しむなど、さまざまなサービスに応えるために高機能化・多機能化が進んでおり、私たちの生活の中でなくてはならないものになりつつあります。
高周波用インダクタのサイズ別需要予想 (弊社予想)
これら多機能化・高機能化や、無線周波数帯のマルチバンド化にともない、搭載される部品の数は年々増加しています。その一方で、筐体スペースは限られており、搭載部品には、より一層の小型化が要求されてきています。現在、高周波インダクタ*1において、1005 (1.0mm×0.5mm) サイズ品から0603 (0.6mm×0.3mm) サイズ品に主要市場の移行が進んでいます。さらに、一部のハイエンドモデルにおいては、0402 (0.4mm×0.2mm) サイズ品が多く採用されるようになってきています。
ムラタLQPシリーズ
これまで、電子部品サイズの世代交代の周期は約5年でした。この周期は小型化の進展とともに長くなる傾向にあるものの、いずれは0402サイズ品から0201サイズ品への置き換えの時期がやって来ます。
0201サイズチップインダクタ試作品外観
ムラタでは、厚膜ペーストとフォトリソグラフィ技術を融合させた独自の厚膜微細加工プロセスを進化させ、これまで以上に微細な電極配線パターンを形成する技術を確立しました。そして、この技術を用いて世界最小0201 (0.25mm×0.125mm) サイズの高周波インダクタを開発し、0402 (0.4mm×0.2mm) サイズより体積比約75%ダウンを実現しました。CEATEC JAPAN 2013にも出展しており、現在、実用化に向けた取り組みを行っています。
CEATEC JAPAN 2013での出展
厚膜微細加工プロセスによる電極パターン形成
コンデンサや抵抗器とともに電子回路の基本となる部品で、コイルとも呼ばれている。主な用途として信号系と電源系の2種類に分類が可能で、「高周波用インダクタ」は信号系のインダクタに該当し、特に高周波回路などで使用するものを指す。電気信号を伝える回路で主に周波数マッチングやフィルタとして使われる。電源系のインダクタは、半導体への電源供給回路で、ノイズ抑制や平滑などの役割を果たす。