効率的に最適解を見つける手段として、有限要素法 (FEM) を用いて特性シミュレーションを行う方法が考えられます。しかし、シミュレーション結果と実サンプル特性の整合性が低いということが問題になっています。この原因は、主振動 (厚みすべり振動) と不要振動の周波数の関係が、形状だけでなく水晶ブランクと基板を接続する保持部材にも大きく影響されるため、ということがわかってきました。
基板への保持を考慮せずに水晶ブランクだけをモデル化した場合のFEMシミュレーション結果と実サンプル特性との対比を図6に示します。保持部材がない形状をシミュレーションした結果では、ESR特性の傾向が実サンプル特性と一致しておらず、適切な形状パラメータを見出すことができません。
このように、シミュレーション結果と実サンプル特性との整合性を向上させ、最適解を効率良く求めるシミュレーション手法の確立が課題となっていました。今回、これらの課題を解決するシミュレーションシステムを構築することにより、実サンプル特性との整合性を高めることが可能になりました。