スマートフォンなどに搭載されているデジタル無線通信用のモジュール製品です。例えばスマホでは、何種類もの携帯回線用の周波数帯の電波、BluetoothやWiFiの電波などを扱います。このモジュールは、これら複数の通信プロトコル処理しコミュニケーションをつかさどるキーデバイス。小松村田製作所のモジュールは世界のスマホメーカーに供給され、高いシェアを獲得しています。
当モジュールは、高周波を処理する表面波フィルタなどの受動デバイスと信号の処理と増幅を行うICなどから構成されています。内部に複雑な回路を形成した基盤の表裏に、数百点もの微少な部品をびっしりと搭載し、樹脂や金属でパッケージします。ユーザーはこのモジュールを製品に搭載するだけで、高難度の電波処理機能を簡単に手にすることができるのです。
今後、社会が5G（第5世代移動通信システム）に移行するに従い、「高速・大量データ伝送」へのニーズは飛躍的に高まりつつあります。例えば、60GHzという超高周波・ミリ波帯域で通信を行う通信規格WiGigも登場。4Kハイビジョン・120分動画を10秒程度でダウンロードできる超高速・大容量通信も実用化されようとしており、その市場は急速に拡大しています。
しかし高周波帯域では電波信号の相互干渉やノイズ問題など技術的ハードルは高く、加えて通信に関する数々の国際規制もクリアせねばなりません。こうした課題を解決し、必要な機能をひとつの部品にパッケージしたモジュール製品は、モバイル機器メーカーに大きな恩恵をもたらしています。