低鳴きコンデンサ置換え評価を実演いたします。
セラミックの圧電特性により鳴きという現象がまれに発生することがあります。それを解決するために低鳴きコンデンサを開発しました!
ムラタの低鳴きコンデンサの効果をぜひ体感してみてください。
概要
電子機器の静寂化にともない、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラなど様々なアプリケーションの電源回路等において、従来目立たなかったコンデンサの振動による「鳴き」が設計課題になってきております。 (図1のような箇所)
ご紹介するデモは、従来のセラミックコンデンサ (GRMシリーズ) と従来のセラミック材料よりも低誘電率の材料を用い、コンデンサの歪量を低減したタイプ (GJ8シリーズ) 、セラミックコンデンサを端子板などにより基板から浮かせて取付け、基板への振動の伝達を抑制する金属端子付きタイプ (KRMシリーズ) の3種類のコンデンサを用い、鳴き (音) の度合いを耳で確認して頂くデモとなっております。デモキット内で12Vの矩形波を発生させ、SWを介し、各コンデンサにInputします。矩形波の周波数をパソコン上のソフトにて0Hz~12.75kHzの範囲 (50HzStep) でコンデンサ+基板の共振周波数に合わせることにより、鳴きが発生します。
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図1 ノートPCの電源回路の鳴き事例箇所
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鳴きのメカニズム
- 積層コンデンサチップは、強誘電性のセラミックスの電歪効果により、交流電圧を印加すると、図2のように伸縮します。
- 結果として図3のように回路基板が面方向に振動します。(チップ及び基板の振幅はわずか1pm~1nm程度)
- この基板の振幅の周期が人間の可聴周波数帯域 (20Hz~20kHz) になったときに音として人間の耳に認識されます。
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図2 電圧印加時の電歪現象によるチップの変化

図3 電歪現象による基板の変形
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鳴き対策商品紹介 (GJ8シリーズ)
- 独自のセラミック材料でコンデンサの振動を抑制
- 可聴域の周波数で鳴きに対応
- 機器の小型にも貢献
- 優れたDCバイアス特性
図4 GRMとGJ8シリーズの音圧比較
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図5 GRMとGJ8シリーズのDCバイアス特性比較
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実現できるのはこちらのシリーズです
鳴き対策商品紹介 (KRMシリーズ)
- 金属端子の弾性作用により、コンデンサの音鳴きを大幅に低減
- 熱および機械的衝撃による応力を吸収し、高信頼性を実現
図6 KRMシリーズの構造1
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図7 KRMシリーズの構造2
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実現できるのはこちらのシリーズです
デモ基板、ソフトの機能
デモ動作回路
本デモの動作回路 (しくみ) について説明します。
デモキット (SysCube) 本体のFPGAにてソフトで設定した周波数 (周期) で矩形波を作り出しています (3.3V振幅) 。
その矩形波を鳴き対策部品のメインボードに実装してあるFETにて12Vに増幅し、SWを介して対象のコンデンサへ入力しています。
このときコンデンサの電歪効果が生まれ鳴きが発生するしくみです。
ソフトにて矩形波の周波数 (周期) を変更することで、鳴きの音量が変わります。
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図8 SysCubeデモキット
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デモ対象部品
(1) 一般品: GRM31MR71E105KA01L (3216サイズ,1μF)
(2) 材料変更品: GJ831CC81E105KA01L (3216サイズ,1μF)
(3) 金属端子品: KRM31KR72A105KH01L (3216サイズ,1μF)
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図9 低鳴きコンデンサ評価デモメイン基板
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ソフト機能
(1) 周波数調整機能: 0Hz~12.75kHz (50HzStep) にて任意で周波数の調整が可能。
(2) メモリ機能: 周波数を変更し、鳴きの大きい周波数を最大3箇所メモリに保存、呼び出しが可能。
(3) オートスクロール機能: 0Hz~12.75kHzの間で自動で周波数をSweepします。(リピート)
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図10 共振周波数調整用ソフト操作画面
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