フィルムコンデンサの特徴

電気的特性

フィルムコンデンサは、中容量・高電圧の領域で強みを発揮します。フィルムコンデンサは以下のような電気的特性を有しています。

  • 誘電正接(tanδ)が小さく、高周波特性良好
  • 無極性
  • DCバイアス特性なし
  • 温度特性良好
  • 高い絶縁抵抗

自己発熱特性

フィルムコンデンサは、リップル電流や交流電流の損失により、自己発熱します。したがって、フィルムコンデンサの仕様を検討する際には、環境温度と、電流条件を考慮し、素子中心温度がフィルムの耐熱温度を超えないように設計することが求められます。

高信頼性

金属蒸着フィルムを誘電体とするフィルムコンデンサは、過電流などが流れた際にオープン故障するという特徴があります。フィルムコンデンサのこのような特徴は、自己修復機能(セルフヒーリング)と呼ばれます。高信頼品では、自己修復機能が働かないケースに備え、ヒューズパターンが併用されている場合もあります。
またフィルムコンデンサは、適切な電圧・温度条件下で使用した場合は摩耗故障しません。したがって摩耗故障するアルミ電解コンデンサなどと比べ、長寿命です。ただし、高電圧下、高温高湿環境下で使用された場合は、オープン故障による容量低下が発生しうるため、検討が必要になります。

自己修復機能(セルフヒーリング)とは

フィルムに電気的な弱点部があったり、過電圧が加わることで絶縁破壊を起こした時に、瞬時に周囲の蒸着膜が酸化し絶縁状態を回復します。フィルムコンデンサはこの自己回復機能によって信頼性を向上させています。

自己修復機能(セルフヒーリング)のイメージ画像

模倣品に対するご注意