問題解決事例

スイッチング電源の電解コンデンサ置換え (動画)

スイッチング電源に使用される大容量電解コンデンサを積層セラミックコンデンサに置換える際のテクニックや注意点などをプレゼンテーション形式で分かり易く解説します。


(15:58)

SubTitleIcon6    概要

スイッチング電源は、高性能な電源を小型・安価に提供できることにより、あらゆるセットで使用されています。大きく分けると絶縁型と非絶縁型があり、その中にも数々のタイプの電源が存在し、所要の用途に応じて使い分けます。当社はこれら数々のタイプの電源でお使いいただける電子部品や技術サポートを行っております。
本項では一例として、比較的回路が簡素な降圧型のスイッチング電源を例にあげ、電解コンデンサを積層セラミックコンデンサ (以下MLCC) に置換える際のテクニックや注意点、当社のサポート内容をご紹介します。



SubTitleIcon6    降圧型スイッチング電源の基本構成

降圧型スイッチング電源の基本構成を図1に示します。
図の赤線で囲んだ出力コンデンサを電解コンデンサからMLCCに置換えます。
図1 降圧型スイッチング電源の基本構成
図1 降圧型スイッチング電源の基本構成


SubTitleIcon6    出力コンデンサの種類と周波数特性

出力コンデンサとしては色々なタイプのコンデンサが使用されていますが、大きくわけると3種類のコンデンサに大別できます (図2参照) 。
まず一つ目は、一般電解コンデンサで大容量品が安価に販売されていますが、信頼性や周波数特性に優れません。
二つ目は機能性高分子コンデンサで大容量かつ周波数特性のよいコンデンサが販売されていますが、比較的高価になります。
三つ目はセラミックコンデンサで比較的安価でありながら、周波数特性や信頼性に優れるコンデンサですが、大容量の商品が少ない事や温度特性や電圧特性が存在するため、それらを考慮して使用する必要があります。

図3にこれら3種類のコンデンサの周波数特性の一例を示します。
緑が一般電解330µF、青が機能性高分子330µF、赤がセラミックコンデンサ100µFです。
低周波では容量の大きな電解コンデンサや高分子コンデンサのインピーダンスが小さくなりますが、周波数が高くなるにつれセラミックコンデンサのインピーダンスが小さくなります。
このカーブを例にとりますと、スイッチング電源のスイッチング周波数が100kHzより高くなればセラミックコンデンサを出力コンデンサに使用するとリップル電圧が小さくなり、メリットが生じます。
図2 出力コンデンサの種類
図2 出力コンデンサの種類
図3 周波数特性グラフ
図3 周波数特性グラフ
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SubTitleIcon6  出力コンデンサの違いによるリップル特性

図4は図1の回路において、出力コンデンサを変えた場合のリップル特性のシミュレーションデータです。
緑が一般電解コンデンサ、青が高分子コンデンサ、赤がセラミックコンデンサを使った場合で、リップルは一般電解コンデンサ、高分子コンデンサ、セラミックコンデンサの順で小さくなっています。
使用したスイッチング電源はスイッチング周波数が300kHzであり、図3のピンク色のラインで示したインピーダンスを見ると、一般電解コンデンサ、高分子コンデンサ、セラミックコンデンサの順で小さくなっており、インピーダンスとリップルの実測値とは非常に良い相関があると言えます。
スイッチング電源の場合、スイッチング周波数に応じて最適なコンデンサを選定する事で、小さな静電容量で出力電圧を安定させる事ができます。
図4 リップル特性グラフ
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SubTitleIcon6  出力コンデンサ変更時の注意
このように、出力コンデンサをMLCCに変更すると、電源のスイッチング周波数によっては小さな静電容量で出力電圧を安定させる事ができますが、電源全体の特性が変化し、出力電圧が安定しない場合があります。
この現象を発振と呼び、帰還回路の調整が必要になります。
せっかくスイッチング周波数でよりインピーダンスの低いコンデンサを選定しても、帰還回路を再設計しないとコンデンサのパフォーマンスに応じた結果が得られないため注意が必要です。
帰還回路の調整はノウハウを必要とすることが多く、当社ではお客様に変わってリップル、スパイク電圧の測定から、過渡応答特性、帰還回路の安定度 (Bode線図) などのデータ取得、評価を行うサポートを実施しております。

図5 コンデンサをMLCCに変更した場合には帰還回路の調整が必要

図5 コンデンサをMLCCに変更した場合には帰還回路の調整が必要
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SubTitleIcon6  ムラタソリューション

スイッチング電源の電解コンデンサをMLCCに置換える設計に対して、「ノウハウがない」、「安定動作するのか不安」、「検討時間がない」、「どんなMLCCを選定して良いのか分からない」など、多くの疑問や心配があると思います。
当社ではそのような問題についてのサポートを実施しておりますので、こちらからお問い合わせください。
図6 スイッチング電源に対するムラタソリューション
図6 スイッチング電源に対するムラタソリューション

実回路下での部品特性のモデルを提供します
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SubTitleIcon6  出力コンデンサの違いによるリップル特性

このように、出力コンデンサをMLCCに変更すると、電源のスイッチング周波数によっては小さな静電容量で出力電圧を安定させる事ができますが、電源全体の特性が変化し、出力電圧が安定しない場合があります。
この現象を発振と呼び、帰還回路の調整が必要になります。
せっかくスイッチング周波数でよりインピーダンスの低いコンデンサを選定しても、帰還回路を再設計しないとコンデンサのパフォーマンスに応じた結果が得られないため注意が必要です。
帰還回路の調整はノウハウを必要とすることが多く、当社ではお客様に変わってリップル、スパイク電圧の測定から、過渡応答特性、帰還回路の安定度 (Bode線図) などのデータ取得、評価を行うサポートを実施しております。

図5 コンデンサをMLCCに変更した場合には帰還回路の調整が必要

図5 コンデンサをMLCCに変更した場合には帰還回路の調整が必要
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