図1は各コンデンサの特性比較表です。従来からある電解液を用いたアルミ電解コンデンサ(缶タイプ)や二酸化マンガンを用いたタンタル電解コンデンサは比較的安価ですが周波数特性や温度特性、寿命、信頼性面で高分子コンデンサに劣ります。
チップタイプ高分子アルミ電解コンデンサは、高分子コンデンサの中でも最もESRが低いため、リプル吸収用途などにおいて有利となります。
(記号)◎: 非常に優れている, ○: 優れている, △: 普通, ×:悪い
- 低ESR
- 液体電解質のアルミ電解コンデンサと比べて低抵抗な導電性高分子を使い、タンタルコンデンサと比べて内部素子が電気的に並列接続した積層構造のため、ESRが低くできます。
- 長寿命
- 液体電解質のアルミ電解コンデンサと比べて電解液のドライアップリスクがなく、タンタルコンデンサと比べて発火リスクがないため、長寿命です。
- 温度特性
- MLCCと液体電解のアルミ電解と比べて材料面での温度依存性が小さいため、温度特性は極めて小さく、安定しています。
- DCバイアス特性
- MLCCのような圧電効果がないため、DCバイアス特性は極めて安定しています。
- 高容量
- MLCCに比べて温度特性およびDCバイアス特性が極めて安定しているため、実使用における実効容量は高くできます。
- 高電圧
- 高容量・低ESRの商品の市場要求を満足するため、高容量に反比例する電気特性となる高電圧に対しては、他のコンデンサと比べて見劣りします。
- 小型/薄型
- 内部素子が電気的に並列接続した積層構造の為、従来の缶タイプより薄型にできます。
- 音鳴き
- MLCCと比べて材料に起因する圧電効果(電歪効果)がないため、音鳴きノイズが低くできます。