コンデンサの主な回路上での役割のひとつは、電源ラインの電圧を安定化し、なだらかにすることです。電子機器が高機能化すればするほど、CPUなどの電源ラインはシビアな電圧制御が求められています。電圧ラインを安定化するために大きな静電容量が必要な場合もあります。そのような場合、これまではMLCCを数多く並べる提案をしてきましたがECASと組み合わせることで、場合によってはより員数とコストを抑える提案ができるようになりました。
村田製作所はECASシリーズをMLCCの商品群に加えたことで今まで以上に幅広い提案ができるようになりました。図1はCPUやFPGAの電源ラインの簡単な回路図です。
ECASシリーズは低ESR、低インピーダンス、静電容量が安定しているため、負荷電流が大きく変動が激しいCPUなどの各種電源ラインの平滑(リップル吸収や過渡応答)用途に最適です。基本的にMLCCと組み合わせて使われる場合がほとんどで、ECASシリーズは特に電圧変動抑制(高速バックアップ)用途で能力を発揮します。
電圧変動抑制用途にはよく高分子タイプのタンタル電解コンデンサや、高分子タイプのアルミ電解コンデンサ(缶タイプ)も用いられますが、ECASシリーズはそれらよりもESRが低く、ESRと静電容量のバランスがとれているため、電圧変動抑制用途に最適です。そんなECASシリーズはPC(ノートPC、サーバ、マザーボード、複合機等)、デジタルAV機器(液晶テレビ、ゲーム機等)によく使われています。
このような電子機器を設計される際はぜひECASシリーズをご検討ください。