シリコンキャパシタ(シリコンコンデンサ)基地局RFパワーアンプにおけるIMDノイズ対策

高速大容量通信に伴うシグナル周波数の広帯域化と課題

高速大容量通信実現のために、現行の数倍から数十倍広い帯域幅の使用が検討されています。しかし広帯域の信号を高電力で出力すると、パワーアンプモジュール(PAM)内で相互変調ひずみ(Inter Modulation Distortion:IMD)が発生し、信号品位を低下させることが知られています。IMDの周波数は帯域幅と比例関係にあり、2次のIMDで問題となる周波数は、Sub6帯で~400MHz、ミリ波帯では数GHzにまで及びます。

対象アプリケーション:基地局向けRFパワーアンプモジュール

シリコンキャパシタによるIMDノイズの低減

シリコンキャパシタによるソリューション

2次のIMDノイズは、FETのバイアスラインにキャパシタを配置し、キャパシタのフィルタとしての機能を利用して取り除かれます。しかし、通常の設計では、基板やマイクロストリップライン等のESL(等価インダクタンス)成分によって高周波領域での除去が困難になってきます。
シリコンキャパシタは、FETの直近にワイヤーボンドで実装できるため、余分なESL成分を小さく抑えることができ、数百MHzの領域でのIMDノイズ除去をサポートします。
また、ムラタのシリコンキャパシタは、独自の技術により小型で大容量を実現しながら、温度補償系材料を使用しているため高温環境下でも安定して使用することができます。

シリコンキャパシタの特徴

小型 × 高容量 を 実使用条件 (電圧印加時および高温環境)で実現

シリコンキャパシタは、弊社独自技術の3D構造により平面時の100倍の電極表面積を得ることで、小型高容量のキャパシタを実現しています。またシリコンキャパシタの誘電体には温度補償系材料を使用しているため、実使用条件で容量が下がらず、上下電極品の小型領域において最大級の静電容量密度を実現しています。

標準品ラインアップ

ワイヤボンディングタイプ

    • New Lineup
    WLSCシリーズ

    静電容量:47pF~22nF
    サイズ:0.25×0.25-0.50×2.00 mm
    厚み:100µm

  • WBSCシリーズ

    静電容量:100pF~22nF
    サイズ:0.294×0.294-1.00×0.50 mm
    厚み:250µm

  • UWSCシリーズ

    静電容量:47pF~22nF
    サイズ:0.25×0.25-1.00×0.50 mm
    厚み:100, 250µm

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Si-IPDのソリューション

キャパシタと抵抗を1チップにインテグレート!

RFパワーアンプ向けのキャパシタでは、他の容量違いのキャパシタとの反共振を抑制するためのダンピング抵抗を1チップに集積化したIPDも提案しています。※現在開発中。
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