アンテナが受信するノイズ測定を行った結果、広帯域のノイズが結合していることがわかりました。
次にノイズの発生場所を特定するために近傍電磁界分布評価を行い、検討した結果、LCDデータラインのフレキシブルケーブル付近のデータライン及び電源ラインのノイズが原因で、アンテナにノイズが結合している可能性が高いと推測されます。
高インピーダンス回路に適しているL型フィルタを選択しました。複数の信号が並列して配線された信号ラインであるため、実装効果の高い4回路構成のアレイタイプを選定しました。
ノイズ対策を行った後、スペクトラムアナライザーにてアンテナに受信するノイズレベルの測定評価を行いました。
測定結果の (グリーンの) グラフの通り、広帯域のノイズがフロアレベルに近い数値になり、ノイズ対策効果が出ていることが分かります。
電源のスイッチングノイズが原因と分かったので、スイッチングノイズが伝導しているフラットケーブルの電源ラインに対策としてフェライトビーズを選定しました。
対策後、アンテナが受信するノイズレベルの測定評価を行った結果、黄色のデータの通り、1.5MHz周期のノイズが無くなり、フロアレベルに近い数値になっています。フェライトビーズの効果によりノイズが低減されていたことがわかります。
対策前と対策後のアンテナの受信感度を測定しノイズ対策した結果、実際に改善効果が得られているか評価しました。
測定の結果メインアンテナで3.3 dB、サブアンテナで6.6 dBの改善効果が得られたことがわかります。
また、近傍電磁界分布評価結果からもLCDデータラインのフレキシブルケーブル付近の電磁界分布が低減していることがわかります。