EMI除去フィルタ(EMC・ノイズ対策)LTEノイズ対策事例

700MHz帯域 (Band13) のノイズ対策例

測定結果

アンテナが受信するノイズ測定を行った結果、広帯域のノイズが結合していることがわかりました。

Image of noise received by antennas

次にノイズの発生場所を特定するために近傍電磁界分布評価を行い、検討した結果、LCDデータラインのフレキシブルケーブル付近のデータライン及び電源ラインのノイズが原因で、アンテナにノイズが結合している可能性が高いと推測されます。

Image of adjacent electromagnetic field distribution

対策

対策1 (LCDデータライン)

高インピーダンス回路に適しているL型フィルタを選択しました。複数の信号が並列して配線された信号ラインであるため、実装効果の高い4回路構成のアレイタイプを選定しました。

Image of Measure 1 (LCD data line)

ノイズ対策を行った後、スペクトラムアナライザーにてアンテナに受信するノイズレベルの測定評価を行いました。
測定結果の (グリーンの) グラフの通り、広帯域のノイズがフロアレベルに近い数値になり、ノイズ対策効果が出ていることが分かります。

Image of effect of anti-noise measures

対策2 (電源ライン)

電源のスイッチングノイズが原因と分かったので、スイッチングノイズが伝導しているフラットケーブルの電源ラインに対策としてフェライトビーズを選定しました。

対策後、アンテナが受信するノイズレベルの測定評価を行った結果、黄色のデータの通り、1.5MHz周期のノイズが無くなり、フロアレベルに近い数値になっています。フェライトビーズの効果によりノイズが低減されていたことがわかります。

Image of noise reduction

対策評価

対策前と対策後のアンテナの受信感度を測定しノイズ対策した結果、実際に改善効果が得られているか評価しました。
測定の結果メインアンテナで3.3 dB、サブアンテナで6.6 dBの改善効果が得られたことがわかります。

対策評価グラフ

また、近傍電磁界分布評価結果からもLCDデータラインのフレキシブルケーブル付近の電磁界分布が低減していることがわかります。

Image of reduction in electromagnetic field distribution

2GHz帯域 (Band4) のノイズ対策例

測定

アンテナが受信するノイズの測定をスペクトラムアナライザーで測定した結果、メイン・サブアンテナ共に2136MHzのノイズが結合していることがわかりました。
次に近傍電磁界分布評価を行った結果、カメラモジュールのデータライン付近の分布が高いことがわかりました。
測定したノイズ周期を見ると24MHzの周期で発生しており、この周期はカメラモジュール駆動用のクロック周波数と一致するため、アンテナ部で受信されているノイズの2136MHzはカメラモジュールのクロック周波数の高調波成分であることがわかります。

Image of antenna measurement result

対策

カメラモジュールのクロック周波数が原因であったので、クロックラインにHigh-GHz帯高速信号用のフェライトビーズを入れました。また、クロック波形にリンギングが発生したので、波形整形のため、ダンピング抵抗68Ωも挿入しています。

Image of measures
対策のアンテナ測定結果

対策評価

対策後のアンテナ受信感度測定では、メインアンテナ1.5dB、サブアンテナ3.7dBの改善効果が得られたことがわかります。

MIMO受信感度

また、近傍電磁界分布評価結果からもカメラモジュールのフレキシブルケーブル付近の電磁界分布が低減していることがわかります。

磁界プローブ