ノイズ対策技術 / 事例紹介(民生)

サービスロボットのノイズ対策-1(1/3)

1. サービスロボットとは?

ロボットを大きく分けると産業用ロボットとサービスロボットに分類できます。サービスロボットは工場などで使用される産業用ロボットと異なり、日常生活の支援に使用されるロボットのことを指します。
今後サービスロボットは介護などの様々な場面で使用されることが予想され、ロボットのノイズ問題により少しの誤作動でも命の危険に発展する恐れがあります。
「人々の生活圏にロボットが存在する」時代を迎えるうえで、サービスロボットが不具合や誤作動を起こさないためにもノイズ対策が重要となってきます。

ロボットの分類画像。産業用ロボットは組み立てロボット、搬送用ロボットなど。サービスロボットは、介護ロボットや接客ロボットなど。

2. 一般家電との違い

主にロボットと家電等の一般民生機器との相違点は、モーターが搭載されることです。
他は民生機器と同様の技術が利用されているため、モーター部分のみがロボット特有の技術であるといえます。

ブロック図の画像
ブロック図

3. サービスロボットにおけるノイズ問題

サービスロボットにおいて想定されるノイズ問題は2つあります。
まず、モーターが駆動することで放射ノイズが発生し、周辺機器に悪影響を与えるエミッション問題です。サービスロボットは家庭内などで使用される場合もあるため求められるノイズ抑制要件は厳しくなります。
次に、外部から流入するノイズによってサービスロボットが誤動作し、人体に危害を加えるイミュニティ問題があります。家庭内では、LTEやWi-Fiなどの無線通信電波が飛び交っているため、そういった電波が外来ノイズとなり、ロボット内の電子回路に侵入すると、ロボットが誤動作し、人体に危害を加える恐れがあるため、高水準のイミュニティ耐性が求められると予想します。
各ノイズ問題に対して、ノイズ対策手法を順に紹介します。

エミッション問題:モーターが駆動することで、放射ノイズが発生し、他機器に影響を与える。
イミュニティ問題:外来ノイズにより誤動作し、人体に危害を加える。

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