ノイズ対策技術 / 事例紹介(自動車)
車載機器の雑音規格CISPR25対策例(電源ライン編)
車載機器で問題となるノイズはいろいろありますが、ここではUSBの信号ケーブルから放射するノイズを例に対策事例を説明します。
※今回のEUTは車載機器ではありませんが、ノイズ状況は同様ということで一般機器を使用しています。
※USB2.0/3.0の両モードで実験しています。
EUT:Equipment Under Test
USB2.0モードでの対策内容
電源ラインはUSB2.0相当の動作モードとUSB3.0のフル規格であるSuperSpeedの動作モードで共通に使用します。
このため、USB3.0の規格に適合した900mAの電流に対応した部品が必要になります。
電源(Vbus)ラインにチップフェライトビーズ
BLM31PG601SH1を挿入
測定条件についてはこちらを参照ください
ノイズ測定結果(USB2.0モード 電源ライン対策)
BLM31PG601SH1を使用
チップフェライトビーズ(BLM31PG601SH1)を追加することで、ノイズが低減(約14dB低減 at 水平偏波76MHz , 約13dB低減 at 垂直偏波227MHz)されました。
USB3.0での対策内容
電源(Vbus)ラインにチップフェライトビーズ
BLM31PG601SH1を挿入
測定条件についてはこちらを参照ください
ノイズ測定結果(USB3.0 電源ライン対策)
BLM31PG601SH1を使用
チップフェライトビーズ(BLM31PG601SH1)を追加することで、ノイズが低減(約9dB低減 at 垂直偏波111MHz)されました。
電源ライン対策のまとめ
PCとHDDをUSB2.0およびUSB3.0通信させ、CISPR25環境にてUSBケーブルから放射されるノイズを評価いたしました。
その結果、電源ラインに BLM31PG601SH1を追加することで、
USB2.0ではノイズは
- 約14dB(at 水平偏波76MHz)低減されました。
- 約13dB(at 垂直偏波227MHz)低減されました。
USB3.0ではノイズは約9dB(at 垂直偏波111MHz)低減されました。
コモンモードチョークコイルのセレクションチャート
信号ライン用セレクションチャート
電源ライン用セレクションチャート