ノイズ対策技術 / 事例紹介(自動車)

車載Ethernet 100Base-T1におけるノイズ対策手法のご紹介(1)

1. 車載Ethernetとは

車載Ethernet:"自動車に使われる通信方式"
自動車内部では用途に応じて様々なインターフェース規格が用いられています。

表1:自動車に使われる通信方式

通信方式 速度 用途、特徴
CAN/LIN 33k/125k/250k/500kbps ECU全般で採用 車載LANの標準
FlexRay 2M/5M/10Mbps PowerTrain、Chassisなど制御系で使われる
MOST 25M/50M/150Mbps 車載Audio Multimedia系で採用
Ethernet 100M/1Gbps PCのLANの標準、ダイアグでも採用
100BASE-TX、100Base-T1

表2:車載Ethernet規格

規格 伝送速度 Pair数 備考
100Base-T1 100Mbps 1ペア 1ペアで100Mbpsの全二重通信が可能。
OPEN Allianceにて規格化された。
100Base-TX 100Mbps 2ペア 既存100Base-TXベースとしつつ車載向けにEMC性能を向上させている。
RTPGE
(1000Base-T1)
1000Mbps 1 or 2ペア IEEEにて規格化検討中。車載、産業機器用途のため、既存の1000Base-Tの配線数を減らした規格。

2. 車載Ethernetにおけるノイズ対策の必要性

1.差動伝送のノイズ

Ethernetをはじめとする差動伝送では、様々な要因でコモンモード電流によるノイズが発生します。

差動伝送のノイズのイメージ画像

2.Ethernetの問題点

Ethernetに使用されるケーブルと、USB・HDMI等のケーブルには違いがあります。

Ethernetの問題点のイメージ画像1
Ethernetの問題点のイメージ画像2

3.車載機器のノイズ規格

車載機器のノイズ規格のイメージ画像1

車載機器では民生品よりアンテナ距離が短く、且つ厳しい限度値を持ちます。

オススメ!
差動伝送におけるノイズ対策にはコモンモードチョークコイルが有効です。

車載機器のノイズ規格のイメージ画像2
  • 逆相(ディファレンシャルモード)の信号は磁界がキャンセル → 透過
  • 同相(コモンモード)のノイズは磁界が重畳 → 反射

コモンモードだけを選択的に落とすことができる!

100Base-T1のノイズ対策に最適なコモンモードチョークコイルとしてDLW43MHシリーズをお勧めします。

車載機器のノイズ規格のイメージ画像3
車載機器のノイズ規格のイメージ画像4

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