TVSダイオード(ESD保護デバイス)2章「ESD試験とは?」

ESD試験規格

電子機器を製造するメーカーには、それぞれの機器に基準を満たす適切なESD対策が要求されており、目的や製品ごとに様々な試験や規格が定められています。デバイスを対象とした代表的な試験方法にはHBM(Human Body Model:人体モデル), MM(Machine Model:マシンモデル), CDM(Charged Device Model:デバイス帯電モデル)があり、それぞれ下記規格、対象、試験条件で行われています。

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試験方法 規格 対象 一般的な試験条件 現象モデル
HBM
(人体モデル)
JEDEC JESD22-A114 電子部品
(民生品)
コンデンサ:100 pF、内部抵抗:1.5 kΩ
印加電圧:1/2/4/8 kV
人体に蓄積された電荷がESDを起こす場合の試験モデル
MM
(マシンモデル)
JEDEC JESD22-A115 電子部品
(製造機器)
コンデンサ:200 pF、内部抵抗:0 Ω
印加電圧:100/200/400 V
装置や治工具などの金属類に蓄積された電荷がESDを起こす場合の試験モデル
CDM
(デバイス帯電モデル)
JEDEC JESD22-C101 電子部品
(製造機器)
コンデンサ、内部抵抗は試験デバイスによって異なる
印加電圧:500/1000 V
デバイス自体に蓄積された電荷がESDを起こす場合の試験モデル

TVSダイオードのESD試験

TVSダイオードのESD試験はIEC61000-4-2の規格番号が付与されており、ムラタではこれに準拠した方法で製品の評価を行っています。試験はコンデンサ150 pF、内部抵抗330 Ωを含む下記回路を用いており、2 kV、4 kV、6 kV、8 kVの4段階のESD電圧を筐体に放電させることで製品が故障しないかを評価しています。試験機は最大30kVまでの試験が可能となっているため、8kV以上での試験も可能です。

IEC610000-4-2の試験回路