インダクタの基礎知識高周波インダクタ- パターンコイルとコイル部品の比較

パターンコイルとコイル部品の比較についてご紹介しています。
※当社では、高周波回路の使用に適しているインダクタを「高周波インダクタ」、「RFインダクタ」と呼んでいます。

チップインダクタを使用する理由は?

低インダクタンスであれば、回路基板上にパターンを描くことによってインダクタとしての機能を得ることが可能です。
それでもチップインダクタを使用することのメリットをご説明します。

- 理由1. 省スペース -

基板上 (もしくは基板の内層) のパターンでインダクタを構成する場合、基本的に平面構成となります。
一方、チップインダクタは立体的な構成となっていますので、基板上のパターンインダクタよりも省スペース化が可能です。
※特に、10nH以上のインダクタを必要とする場合は大きな省スペース化の可能性があります。

Chip InductorThe cubic configuration saves space.

パターンでインダクタを描いた場合
平面構成なのでスペースを必要とする

チップインダクタ
立体構成なので省スペース

- 理由2. 微調整が簡単 -

インピーダンス整合 (マッチング) を行う場合、調整のため何度もインダクタンス値を変更することがあります。
パターンによるインダクタではインダクタンス値を変更するには、通常、基板の変更が必要となるため、容易に調整ができません。
一方、チップインダクタは細かいステップでインダクタンス値を用意しているため、部品を取り換えることによってマッチングの調整が可能となります。

パターンでインダクタを描いた場合
インダクタンス調整のためには基板の再設計が必要

チップインダクタ
部品を交換して調整が可能

- 理由3. 特性の保証 -

基板上のパターンでインダクタを構成する場合、基板の材料特性のばらつき、加工精度のばらつきによってインダクタとしての特性がばらつきます。
チップインダクタは出荷時に全数インダクタンス選別をしていますので、インダクタンス値のばらつきは一定以下であることが保証されています。このため、安定した性能の機器の製造に寄与することができます。

Inductor drawn in a pattern Variation of characteristics cannot be predicted

パターンでインダクタを描いた場合
特性ばらつきが把握できない

Chip Inductor Performance guaranteed by manufacturer

チップインダクタ
メーカーが性能を保証