業界最高水準の容量を持つ全固体電池(二次電池)を開発

  • バッテリ

2019/06/26

株式会社村田製作所
代表取締役会長兼社長 村田 恒夫

株式会社村田製作所(以下、当社)は、業界最高水準*1の電池容量を持つ全固体電池(以下、本製品)を開発しました。
*1 当社調べ。2019年6月時点。
本製品は当社の主力製品である積層セラミックコンデンサや多層デバイスなどで培ったプロセス技術と、最先端の電子部品を開発する中で蓄積した多様な材料技術を組み合わせて開発しました。一般的な電池で使用する電解液の代わりに、酸化物セラミックス系電解質を使用したことで、「燃えない」「熱に強い」特性を有しています。

小型かつ高エネルギー密度を実現し、過酷な環境下でも高いパフォーマンスを発揮する本製品は、これまで実現が難しかったウェアラブル機器のさらなる小型化や信頼性の向上に貢献します。また、従来のリチウムイオン二次電池と比べ、優れた安全性・耐久性を実現しているため、特に高い安全性が要求され、長時間の利用が前提とされるワイヤレスイヤホンなどのヒアラブル機器*2や広がりをみせるIoT社会の多様なニーズに対応し、豊かな社会の実現に貢献していきます。
*2 ヒアラブル機器:ウェアラブル機器の中でもワイヤレスイヤホンなど耳に装着するもの。
代表取締役 専務執行役員 モジュール事業本部 本部長 中島 規巨は以下のように述べています。
「当社の技術を結集し、公表されている従来型の全固体電池と比較して大幅な大容量化を実現しました。当社は信頼性の高い製品を安定して供給する生産体制を構築し、誰もがどのような環境でも安全に電子機器を使える世の中の実現に貢献していきます。」

一般的な二次電池領域と本製品のターゲット領域

全固体電池の概要

サイズ 縦5mm~10mm×横5mm~10mm×高さ2mm~6mm
容量 2mAh~25mAh(25°C)
定格電圧
3.8V
電解質 酸化物セラミックス
用途 ウェアラブル機器やIoT機器などを想定
備考 SMD*3実装が可能
*3 SMD: Surface Mount Device(表面実装部品)の略。ペースト状のはんだを塗布した基板表面へのスムーズな実装が可能な電子部品を指す。

生産拠点および計画

生産拠点 株式会社村田製作所 野洲事業所(滋賀県野洲市大篠原2288番地)
生産個数 2020年度中に約100,000個/月を予定
※生産予定については2019年6月26日時点の情報です。
本製品はサンプル品のため、仕様や外観イメージは変更になる場合があります。

関連サイト

IoT機器の利用シーンの拡大、 ウェアラブル機器の進化を支える ムラタの酸化物型全固体電池

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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