最高使用温度200℃ 導電性接着剤専用積層セラミックコンデンサの開発

  • コンデンサ(キャパシタ)

2016/02/17

株式会社村田製作所
代表取締役社長 村田 恒夫

要旨

株式会社村田製作所は、自動車のエンジンルーム周辺など過酷な温度環境に搭載される機器向けに、150℃を超える高温環境でも使用可能な導電性接着剤*1専用の積層セラミックコンデンサ GCBシリーズを開発いたしました。既にサンプル出荷を開始しており、2016年中に量産を開始いたします。

*1導電性接着剤:温度変化による基板と部品の膨張伸縮が引き起こすストレスを緩和し、高い温度サイクル寿命を有しています。

背景

近年の自動車市場では、安全性および環境性能の向上をねらいとして各機能の電子制御化が急速に進んでおり、電子機器の搭載率が増加しています。なかでもエンジンルーム内に搭載される電子機器は過酷な温度環境にさらされるため、電子部品においては高い信頼性に加えて高い耐熱性が求められています。
そこで当社は、このような高温環境での回路動作に対応するため、最高使用温度が200℃でかつ、導電性接着剤での接合実装に対応した積層セラミックコンデンサを開発いたしました。

特長

  • AEC-Q200*2に準拠した、自動車のパワートレイン、セーフティ機器向けの導電性接着剤専用品です。 
  • 外部電極に新規開発したNi/Pd電極を採用しており、高温環境下においても導電性接着剤との高い接合信頼性を得ることができます。また、従来品(GCGシリーズ)に比べて端子電極の耐腐食性が優れています。 
導電性接着剤専用品の構造例

  • 最高使用温度が200℃の製品をラインアップし、自動車に搭載される高温環境機器に最適です。

*2 AEC-Q200:Automotive Electronics Councilが策定した、車載電装部品に求められる信頼性試験規格。

用途

自動車のエンジンルームアプリケーション

品番

こちらをご覧ください。

電気的性能

使用温度範囲:-55~+150℃(X8R特性*3)、-55~+200℃(X9M特性*4
温度特性:X8R、X9M
定格電圧:10~100Vdc
静電容量:1000pF~0.47μF

*3 X8R特性:温度特性-55℃~150℃の範囲において、静電容量変化率±15%である特性
*4 X9M特性:温度特性-55℃~200℃の範囲において、静電容量変化率+15/-50%である特性

外形寸法図

1005サイズ:1.0×0.5mm(T=0.5mm)
1608サイズ:1.6×0.8mm(T=0.8mm)


生産体制

2016年中に量産予定

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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