指月電機製作所と車載用高耐熱フィルムコンデンサを共同開発

  • コンデンサ(キャパシタ)

2017/07/25

株式会社村田製作所
代表取締役会長兼社長 村田 恒夫

要旨

株式会社村田製作所は、株式会社指月電機製作所(以下:指月電機製作所)とともに、125℃の高温環境下での連続使用が可能な高耐熱フィルムコンデンサFHシリーズを開発しました。 今後更なる高温保証が求められる環境対応車のコンバータや、モータ駆動用インバータなどに最適な商品です。
当製品は、株式会社村田指月FCソリューションズにて2018年4月から量産を開始し、サンプルは2017年9月から提供する予定です。


補足

近年、ハイブリッド車や電気自動車などの環境対応車に使用される電子部品の市場ニーズは、小型・軽量化、大容量化、高耐熱化などが求められています。
コンバータやモータ駆動用インバータに使用されるコンデンサは、高温保証のニーズが従来にも増して高まっており、また、電源ラインで使用されるコンデンサにおいては自己回復機能*1も求められます。従来の高耐熱フィルムコンデンサ*2は105℃までの温度保証が一般的であり、高温域での自己回復機能が働きにくくショートモード故障となる懸念がありました。

村田製作所は、このたび新しい高耐熱フィルム材料*3を開発し、指月電機製作所とともに125℃の高温環境下での連続使用が可能で自己修復機能に対応した車載用高耐熱フィルムコンデンサを開発しました。これにより従来の高耐熱フィルムコンデンサでは対応出来なかった領域への対応が可能となりました。
今後も市場要求に迅速に対応し、市場ニーズに対応した製品を創出してまいります。


<製品仕様>

◇定格
    定格静電容量:10~20μF
    定格電圧:450V 

◇信頼性
    高温負荷:125℃/450V 2000h
    耐湿負荷:85℃/85%RH/450V 1000h
    耐熱衝撃:-40℃⇔125℃ 1000サイクル


用語説明

※1:セルフヒーリングと呼ばれる機能で、ショートモードでの故障を防ぐ機能です。
※2:ポリプロピレンフィルムを誘電体としたフィルムコンデンサ。当フィルムは105℃を超える高温保証は難易度が高いとされています。
※3:熱硬化性樹脂に分類されるフィルムを誘電体に用い、125℃連続使用が可能となりました。

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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