株式会社村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役会長兼社長:村田恒夫)は、世界で初めて
*1 IEC62228-3
*2で次世代車載ネットワークCAN FD
*3用コモンモードチョークコイル(以下、CMCC)に求められるDCMR
*4 Class3
*5に適合した、巻線コモンモードチョークコイル「DLW32SH101XF2」(以下、本製品)を商品化しました。2019年8月から量産を開始します。
近年、自動車業界ではより安全で快適な走行を目指し、自動車の基本動作を制御する技術の高度化が急速に進んでいます。こうした動きにともない、ECU
*6、センサ、モータなどをつなぐ車載ネットワークの高速化が求められ、データ伝送速度が最大1Mbps(ビット/秒)の従来のCAN
*7から、より高速なCAN FDへの置き換えが進んでいます。
本製品は、当社の持つCMCCの設計・製造に関する豊富なノウハウを活用し、独自の巻線構造により小型を維持しながら、CAN FD用CMCCに求められる高性能・高信頼性を実現しています。
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当社調べ。2019年7月末時点。
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*2
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IEC62228-3:
IEC(International Electrotechnical Commission、国際電気標準会議)が策定している電気・電子技術に関する規格のひとつ。
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*3
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CAN FD (CAN with Flexible Data-Rate):
次世代車載ネットワーク規格。従来よりも、より高速(1Mbps以上)で、より大量のデータ(フレームあたり最大64バイト)の送受信を可能とする車載通信規格。
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DCMR (Differential to Common Mode Rejection):
ディファレンシャル成分がコモン成分に変わるモード変換量。
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DCMR Class3:
CANで使用するCMCCに求められるDCMR特性は3つのClassに分類されるが、DCMR Class3はそのなかで最も厳しいDCMR特性を意味する。
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ECU (Electronic Control Unit):自動車の電子制御装置。
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*7 |
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CAN (Controller Area Network):
最大通信速度1Mbps以下、フレームあたり最大8バイトの送受信を可能とする車載通信規格。
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数多くのノイズ発生源がある自動車内に搭載する車載ネットワークでは、安定通信を可能にするための万全なノイズ対策が欠かせません。CANからより高速なCAN FDに移行する際には、ノイズ対策に向けた要求仕様も、より厳しくなります。
従来のCAN用CMCCのDCMRはClass1、高精度なものでもClass2でした。
本製品はCMCCを構成する2つのコイルの特性ズレを極小化し、DCMRの悪化を抑制することによって、IECが定めるCANの規格「IEC62228-3」でCAN FD用CMCCに求められるDCMR(Ssd21、Ssd12
*9)Class3を実現しています。特に数百kHz以上の低周波数帯では、最高水準のDCMRを満たしています。
*9
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Ssd21、Ssd12:モード変換量のパラメータ。 |
村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
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