チップインダクタの動的モデルライブラリを公開

  • インダクタ (コイル)

2015/07/27

Library of Dynamic Chip Inductor Models

要旨

株式会社村田製作所は6月23日より、当社Webサイトにて、チップインダクタの動的モデルをライブラリとして 公開しました。



背景

近年、電子機器の設計には、回路シミュレーションを活用する手法が一般的となっています。そこで各部品メーカは 、自社 部品のシミュレーションモデル を提供することで対応してきています。 
しかしながら、これら提供されている部品 モデルは、そのほとんどは静的モデルと呼ばれるものであり、部品に流れる電流の値によって部品特性が変化するという動的現象を再現できません。

具体的には、インダクタンスの直流重畳特性が関係する回路の設計においては、これに起因してシミュレーション値と実測値との間で乖離が生じてしまうことがあります。そのため、シミュレーション値と実測値の差が小さくなるような動的モデルが強く望まれていました。


本公開のライブラリについて

チップインダクタに流れる電流によってインダクタンスが変化する現象に対応した 動的なモデル を収容したライブラリです。 電流が時間的に変化する回路に対して、適切なシミュレーションが可能になります 。

[ライブラリに収容されているシリーズ品番]
  • LQMシリーズ 83品番

[対応シミュレータとダウンロードページURL]
(インダクタとMLCCがひとつのライブラリに含まれています)


用語説明

部品モデル
回路シミュレーションに必要な部品の特性を反映したデータをいいます。各品番で特性は異なるため、当社では部品モデルを品番ごとに用意しています。

インダクタの直流重畳特性
強磁性体(フェライトなど)をコアにしたインダクタに大きな電流を流すと、強磁性体が磁気飽和に近づき透磁率が低下します。この現象により、コアにフェライトなどの強磁性体を使用したインダクタは、流れる電流の大きさによってインダクタンスが変化します。これを直流重畳特性といいます。




ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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