世界最小クラスのLPWAモジュール(CAT.M1/NB-IoT対応)を開発 ~インフラ設備のIoT化に貢献~

  • 通信モジュール

2019/04/02

株式会社村田製作所
代表取締役会長兼社長 村田 恒夫

株式会社村田製作所(本社:京都府長岡京市、代表取締役会長兼社長:村田恒夫)は、世界最小クラス*1のLPWA(Low Power Wide Area)モジュール(以下、本開発品)となる「Type 1WG」「Type 1SS」の2製品を開発しました。CAT.M1/NB-IoTに対応した本開発品は、4月10日~12日に東京ビッグサイトで開催される「第8回 IoT/M2M展」に出展します。

*1当社調べ。2019年3月末時点。

 

1.開発の背景

ネットワークインフラの普及によりIoTが進展し、さまざまなモノとモノがつながるようになっています。たとえば、橋梁や高架道、トンネルなどの老朽化するインフラの維持管理、スマートメータ(電気、ガス、水道の遠隔検針)など、機器の小型化や長期間安定的に遠隔モニタリングするニーズが高まっています。
本開発品は当社が小型部品の製造において培った基板設計、実装技術などの微細加工ノウハウを活用し、小型かつ省電力なLPWAモジュールとして開発しました。


2.本開発品の特長

本開発品の特長は以下の通りです。

世界最小クラスのモジュールサイズ

「Type 1WG」は12.2mm×12.0mm×1.6mm(長さ×幅×高さ)、「Type 1SS」は10.6mm×13.2mm×1.8mmの製品サイズにより、一般的な小型モジュール*2に対して底面積で50%の小型化を実現しました。電子回路における実装面積の大幅な削減を可能とし、高密度回路設計に貢献します。

*2 18.0mm×16.0mm×2.0mmのLPWAモジュールとの比較

低消費電力
本開発品はAltair Semiconductor社、Mediatek社のモデムチップを採用したことにより低消費電力を実現しています。eDRX(extended Discontinuous Reception)/PSM(Power Saving Mode)という技術を用いることにより、待受時の電波受信頻度を下げ、PSMでは限られた時間帯にのみ電波受信を行うことで消費電力を削減しています。待機モードで3.5μA以下という超低消費電流を実現しており、電池1個で10年から15年での動作*3を可能にします。

*3 1日に1度センサデータを送信するアプリケーションを想定

高信頼性

当社が持つ通信モジュールの設計・製造のノウハウを活かし、高品質を実現しています。また、モジュール内の受動部品が当社の製品で構成されていることも、高い信頼性を支えています。


3.今後の展開

本開発品は国内・海外の主要キャリアでの認証取得に取り組んでいます。欧州および国内では一部キャリアでの認証を取得しており、2019年秋頃量産向けサンプル出荷開始を計画しています。
現在、国内では大手キャリアによるLPWAサービスが開始しており、スマートメータやIoT家電の実証実験も始まっています。今後も、当社は市場・お客さまのニーズに応じてさまざまな特性を持った製品を開発し、IoT社会の実現に向けて取り組んでいきます。


4.その他・技術情報

表 LPWAモジュール「Type 1WG」「Type 1SS」の仕様
製品名  Type 1WG  Type 1SS 
型番  LBAD0XX1WG  LBAD0YW1SS 
対応規格  CAT.M1、NB-IoT  NB-IoT 
サイズ(mm)  12.2×12.0×1.6  10.6×13.2×1.8 
モデムチップ  Altair Semiconductor社製(イスラエル)
ALT1250 
Mediatek社製(台湾)
MT2625 

ムラタについて

村田製作所はセラミックスをベースとした電子部品の開発・生産・販売を行っている世界的な総合電子部品メーカーです。独自に開発、蓄積している材料開発、プロセス開発、商品設計、生産技術、それらをサポートするソフトウェアや分析・評価などの技術基盤で独創的な製品を創出し、エレクトロニクス社会の発展に貢献していきます。
詳細はこちらのページをご覧ください。www.murata.com/ja-jp

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