株式会社村田製作所(以下、「当社」)は、医療機器メーカーや物流事業者などが検品作業や在庫管理の業務効率化のためにRFIDシステムをより手軽に導入できるよう、効果検証などの小規模運用から利用可能な「id-Bridge™」トライアルサービス(以下、「本サービス」)を2020年5月から開始します。
医療機器業界では、流通経路や取引形態の複雑化から、医療機器メーカー各社での物流管理業務や市場在庫の把握が喫緊の課題となっています。特に、高度管理医療機器に分類される整形インプラント製品や血管カテーテル・ステントなどの循環器製品をはじめとする医療材料は、医療機関への流通過程において製品の出荷・返却にともなう検品作業や棚卸業務に多大な時間とコストが発生しています。
本サービスでは、当社が通信事業で培った安定した無線環境を構築する技術や、利用環境に応じた導入サポートのノウハウを活かし、医療材料の物流管理に最適なソフトウェアとハードウェアの提供から導入時の現場調整までをトータルサポートします。これにより、機器の相性問題や電波の利用環境に左右されない安定したシステム環境の構築を実現します。
当社は、今後もお客さまの課題を解決するRFIDサービスの開発に取り組み、管理業務の効率化・省人化の実現、過剰在庫や廃棄ロスなどの経営課題解決に貢献していきます。
id-Bridge™は、当社で開発するRFIDミドルウェア※1 のウェブアプリケーションで、お客さまの基幹システムと各RFID機器(プリンタ、リーダライタなど)との間でデータ連携を行います。一般的に基幹システムとの連携を前提としたシステム構築には大規模な投資が必要となりますが、スタンドアロンで稼働可能なid-Bridge™は低価格でRFIDシステム導入による効果検証が可能です。また、導入後に基幹システムとの連携を希望される場合は、ミドルウェア内にデータ連携の追加インターフェースを開発することも可能です。なお、一般的な物流業務や物品の管理に必要とされる基本機能も備えており、医療分野以外の幅広い用途にも適応します。
※1 さまざまなRFID関連機器の制御や取得したデータの集計およびフィルタリング、上位システムとのインターフェースの役割を果たすソフトウェア
タグの読み取り方法は、ハンディリーダ、もしくは据置リーダを用いたテーブル型、トンネル型、ゲート型などお客さまのご希望に合わせて対応できます。