マイクロブロア(エアポンプ)マイクロブロア(エアポンプ・空気ポンプ)の基礎知識

エアポンプ(空気ポンプ)の仕組みと動作原理、またムラタのマイクロブロア(マイクロポンプ)の特長について紹介します。

エアポンプ(空気ポンプ)とは?

エアポンプとは、一方から空気を吸引し、一方から空気を吐出するデバイスです。
たとえば、金魚などを飼っている水槽内に空気を取り入れる装置(ブクブク)もエアポンプデバイスの1つです。

エアポンプには、モータ式、ボイスコイルモータ(電磁)式、圧電(ピエゾ)式などがあります。いずれも吸入・吐出を切り分ける弁を用い、駆動源(モータ/ピエゾなど)でダイヤフラム(膜)を往復運動させて空気の吸入・吐出を繰り返すのが一般的です。

・一般的なモータ式ダイヤフラムポンプの構造・特徴

モータの回転をダイヤフラムの運動に変換することで、ダイヤフラムが上下に運動します。この動きにより中央空間のポンプ室の容積が膨張・収縮を繰り返し、膨張する際に空気を吸引し、収縮する際に空気が吐出されます。

また、空気の吹出口・吐出口にそれぞれに弁を設置することで、一方向の空気の流れを作り、空気の逆流を防ぎます。

空気流量や吐出(吸引)圧力はモータの回転数や、ダイヤフラムポンプの動作量などにより決まります。

一般的にモータ式ダイヤフラムポンプは、モータの種類やダイヤフラムの大きさを選ぶことで、いろいろな空気特性のポンプを作成しやすく、高圧力・高流量の空気ポンプも比較的容易に実現することができます。

一方、モータを駆動源とするため、サイズが大きく、重量が重くなる特徴があります。

また動作の際に振動や騒音を伴うため、動作音が大きくなる傾向にあります。

・一般的な圧電式(ピエゾ式)ダイヤフラムポンプの構造・特徴

圧電素子の振動によりダイヤフラム(膜)を動かし、ポンプ室の容積変動を生じることで空気を吸入・吐出します。一般的に圧電素子の振動は微小であるため、ダイヤフラムの大きな変動を起こしにくく、空気流量は小さくなりがちです。

出力を大きくするために圧電素子とダイヤフラムを大きくすることが行われていますが、結果、外形寸法も大きくなる傾向があります。

マイクロブロアとは?

ムラタのマイクロブロアは圧電式(ピエゾ)ダイヤフラムポンプの原理を利用しています。
圧電セラミックスを用いており、その超音波振動を応用して小型・薄型でありながら、高い圧力・流量を実現しています。

またマイクロブロアはムラタ独自の技術により、弁を用いずに一方向の空気の流れを実現しています。

※品種により弁を使用しているものもあります。

一般的なモータ式ダイヤフラムポンプと比較すると、マイクロブロアは高周波振動により連続的に空気を吐出するため、吐出される空気の流れに脈動が生じません。

■マイクロブロアの特長まとめ

  • 小型・薄型でありながら、高い圧力/流量
  • 人の可聴域以外の周波数領域振動(圧電セラミックスの超音波振動)を用いているため静音を実現
  • 高周波振動により連続的に空気を吐出するため、吐出される空気の流れに脈動が生じない

マイクロブロアの動作原理

マイクロブロアの詳しい動作原理は以下の通りです。

おわりに

マイクロブロアは医療・ヘルスケアをはじめ、空気の出し入れが必要な様々な用途・デバイスに利用されています。ムラタでは吐出/吸引圧力・流量によって複数のラインアップを用意しています。

左右にスワイプ可能です 横持ちでご覧ください