AMRセンサ(磁気センサ)AMRセンサ 基礎知識ー AMRセンサ (磁気スイッチ)とホールICの違い

AMRセンサとホールICとの違い

磁石を小さく薄く設計

AMRセンサのほうが使用できる磁場の範囲が広いため、検知範囲も広いです。
検知範囲が広いことにより、筺体の公差や実装時の誤差を吸収できる、ホールICよりも磁石を小さく薄く設計できるなどのメリットがあります。

磁石の向きの違い

センサの真上に磁石があるとき、磁石の向きを垂直に置くのがホールIC配置。水平に置くのがAMRです。それぞれ磁界の検知方向が異なります。
磁石の磁極付近は磁力が強いため、縦方向の配置だと近くにクレジットカードなどの磁気データがあるとカードのデータに影響することがあり、スマートフォンやノートPCなどの電子機器で垂直方向に置けない場合はAMRが有利になります。(水平配置だと磁気データが消失しないということではありません。)

設計自由度

AMRセンサは水平磁界を検知するため複数の配置パターンが考えられ、その結果設計自由度が増します。
一方でホールICは垂直方向の磁界をピンポイントで検知するのが一般的で磁石はホールICの真上かつ至近距離に取り付ける事が推奨されるため、設計自由度が制約されます。

AMRセンサとホールICの比較表

AMRセンサ ホールIC
検知方法 磁気抵抗効果 ホール効果
センサ材料 NiFe合金 Si (安価、低感度)
InSb (高感度、ただし温度特性は不利)
検知方向 水平磁場 垂直磁場
検知範囲 広い 狭い