AMRセンサ(磁気センサ)よくあるご質問

センサはどうやって選べばいいですか?

①AMRセンサを導入したい箇所の磁石の動きとAMRセンサの位置関係を整理してください。

検知方法について大きく分けると

  • 開閉・位置検知:磁石とAMRセンサの距離が変化する(磁力線の強弱)
  • 回転検知:磁石の向きが変化する(磁力線の向き)

があります。

磁石の動きとAMRセンサの位置関係におけるAMRセンサの適用候補はセレクションガイドを参照してください。こちらから電源電圧、応答周波数(磁石の動きが速い場合は周波数が速いタイプ)、消費電流(電池駆動により消費電流を抑えたいタイプ)を選んでください。

②磁石とAMRセンサの位置関係でON/OFFするかはシミュレーションツールをご利用ください。

全ての動作パターンを網羅できていないですが、任意の直方体の磁石における磁石とAMRセンサの位置関係でON/OFFの目安を簡易的に表示します。

(シミュレーションツールは位置の目安です。必ず実機での確認を行ってください。)

ホールICとの差別化ポイントは?

磁界の検知方向が異なります。

センサの真上に磁石があるとき、磁石のNSの向きを垂直に置くのがホールIC配置。水平に置くのがAMRです。

磁石のN・S極付近は磁力が強いため、近くにクレジットカードなどの磁気データがあるとカードのデータに影響することがありますのでスマートフォンやノートPCなどの電子機器で磁石を垂直方向に置けない場合はAMRが有利になることがあります。

(水平配置だと磁気データが消失しないということではありません。)

磁石の位置が大きく変更できないとき、AMRセンサは磁力線の向きでOFFすることができます。これを利用して極めて短いストロークのスイッチ、回転検知などへの応用ができます。

リードスイッチとの差別化ポイントは?

リードスイッチはメカ接点のあるスイッチですので接点寿命があり、衝撃や振動に弱い点があります。

(製品納品後、リードスイッチが動作不良になったことはありませんか?移動中や取り付け時などで強い衝撃を受けたかもしれません。)

AMRセンサはリードスイッチより耐衝撃性が高く、サイズも小さく、磁石の位置が大きく変更できないとき、AMRセンサは磁力線の向きでOFFすることができます。 これを利用して極めて短いストロークのスイッチ、回転検知などへの応用ができます。

また、磁界の検知方向がリードスイッチと同じであるため、リードスイッチで使用していた磁石そのままでもAMRセンサに適用できる可能性があります。

対してAMRセンサはスイッチング回路を内蔵しており、センサの動作のために電源が必要なります。配線数が異なったり、センサ内で消費電流が生じる点があることご注意ください。

周辺環境で気を付けることは?

①配置検討、設計時は磁石から出る磁力線の向きや大きさを3次元空間として把握してください。

磁石が近くにあっても、磁力線の向きがセンサの検知方向と一致していないとONできなかったり、斜めに入ると感度が低下したように見える状態になります。事前検討が十分でないと試作・量産時に思わぬ動作となることがあります。


②温度によって磁力線の強弱が変わります。


③ONする位置ではセンサのON感度よりも十分大きめな磁力となるよう、OFF位置では逆にOFF感度よりも十分小さめになるような配置考慮をお願います。


④近くに他の磁石や磁性体(磁石に反応する金属板など)があると、その影響を受けて思わぬ動作をしてしまうことがあります。影響する範囲の目安を示すことは簡単にできませんので極力離す設計でお考え下さい。

実機評価は必要ですか?

〇必要です。

実機でもAMRセンサの動作検証を必ず行ってください。磁石、AMRセンサとも環境温度によって磁力の強さ、AMRセンサの感度が変わります。高温ほど検知距離が短く(ONしにくく)、低温ほど検知距離が長く(OFFしにくく)なりますので実使用環境での評価も実施してください。


①使用中に他の磁石が近付いたことで出力が変化することが想定される場合では他の磁石が離れた後でも動作が戻ることを確認してください。


②AMRセンサ周辺にネジなどの磁性体があると、AMRセンサがその磁性体の影響を受けてしまうことがあります。


③動作検証を十分に行わずに製品を作ってしまうと、市場での動作不良となってしまう可能性があります。


④弊社に部品調査依頼を出されていても製品単体で動作が問題なければ「良品」としてご返却となる可能性があり、動作不良原因の抽出が困難なことがありますのでご注意をお願い致します。