センサ横滑り防止装置 (ESC)

ESC、ESP、VSCは全て、車両のドライビングダイナミクス(運転動特性)を制御する同じシステムに対する略語です。OEMの場合、同じシステムでもマーケティング上の効果を狙って異なる略語が用いられますが、基本的な機能は同じです。
ABSとトラクションコントロールは、カーブの状況では十分に機能しません。ESCは、アンダーステアリングやオーバーステアリングを修正し、自動車が車線から逸脱するのを防ぎます。角速度センサで計測したヨーレートと横加速度、及び低重力加速度計で計測した横加速度を、車輪速度情報及びハンドル角から計算したものと比較しています。
複数の慣性力センサが、センサクラスタとして自動車に組み込まれるか、最新の自動車デザインのようにブレーキユニットかエアバッグECUに組み込まれています。最新のシステムデザインでは、電動パーキングブレーキ(EPB)やアイドリングストップ/スタート(ISS)用の計測機能、さらに自動駐車/車線維持支援のためのハンドル制御用冗長ヨーセンサでさえ加えられています。ESCシステムは、自動車のインテリジェントABSシステムから中央アクティブセーフティシステムへと発展し、自動車の安定性を制御し、情報マルチシステムを提供します。今後、ESCセンサは、自動車のポジショニングや他の機能のための各種の自動運転(AD)及び先進運転支援システム(ADAS)用途で、役割を果たすことになります。

自動車の環境条件に対してセンサの精度が上がれば上がるほど、制御システムはより高性能になります。当社のジャイロコンボセンサSCC2xxxと加速度計SCA8X0及びSCA21X0を組み合わせることにより、全ての組込み箇所と測定方向で信頼性のある正確な計測を行うことができます。当社では、様々な用途のために、高性能でコスト効率のよい機能統合を可能にする次世代ESCコンボセンサも開発しています。