例えば、トイレを例にあげましょう。
トイレに入った時に電気が点灯する:焦電型赤外線センサ
便座があがる、水が流れる、手を洗う時に水が出る:光式赤外線センサ
トイレの例からわかるように、比較的広いエリアで人が近づいたことを検知して、次のアクションを起こしたい場合は焦電型、近接した距離で人を検知したい場合は光式を使用することが多いです。
防犯用途での焦電型赤外線センサの採用の歴史は長く、セキュリティメーカーの防犯システムはもちろんIPカメラなどさまざまな防犯機器に使用されています。
ドアベルや玄関、駐車場などで人を検知して照明が点灯される使用例も一般的になってきました。近年ではIoTが進み、人を感知して自動で空調をコントロールしたり、家電製品をON/OFFしたりするスマートホームやサーモスタットへの採用も進んでいます。
サーモスタットやスマートホームのコントロール部分は電池駆動することが多く、消費電力を抑えることが必要とされます。人の熱を感知して電荷を発生する焦電型赤外線センサはアクティブタイプのように常時駆動はしていないので、低消費にて長期間の使用が可能となること、レンズ仕様により広域で人を検知することが可能なことからこれらの用途での採用が進んでおります。
近年では農作物を荒らす動物の検知や捕獲、大切なペット探しにも焦電型の赤外線センサが活用される事例もあります。
セキュリティ分野での活用はドアベルやドアカメラなどの来訪者の認知確認だけでなく、自宅やオフィス、店舗の警報装置などの防犯機器に組み込んだ侵入検知、サーモスタットなどのIoTスマートホーム機器やIPカメラによる住居内での不審者や人の動き検知にも活用できます。
ウェイクアップ機能での活用は家電製品だけでなく、起動までの待機時間が長くかかるプリンタやパソコンなどのオフィス製品、デジタルサイネージや自動販売機など人が近づいた時にだけ動作する設備にも活用できます。