NTCサーミスタ

負特性サーミスタ

温度が上がると抵抗が減るという負の温度係数をもったサーミスタのため、NTCサーミスタを負特性サーミスタともいいます。

温度補償

電子回路で、部品がもつ温度特性により出力などの特性が変動することを抑えるように働くことをいいます。

B定数

規定された周囲温度2点での抵抗値を用いて、次式より算出した抵抗変化を示す定数です。

B=ln (R/R0) / (1/T-1/T0)
R: 周囲温度T (K) のときの抵抗値、R0: 周囲温度T0 (K) のときの抵抗値

最大電圧

サーミスタに直接印加できる最大の電圧をいいます。各品番ごとに詳細データが添付されています。

最大動作電流 / 電圧

印加すると素子単体が0.1°C自己発熱する電流 / 電圧をいいます。この値を超えての使用は自己発熱が増加し、検知誤差が大きくなります。

熱放散定数

熱平衡状態で、サーミスタの自己発熱で素子の温度を1°C上げるために必要な電力をいいます。村田製作所では、素子単体(基板未実装)で定義しています。

熱時定数

温度T0に保持されているサーミスタを、急に周囲温度T1に変化させたときに、その温度差の63.2%に達するまでの時間をいいます。

絶対温度

あらゆる物質は原子や分子で構成されており、これらの原子や分子は絶えず運動をしています。その運動は、温度により変化し、高温になるほど激しくなります。温度を低下していくと、理論上、原子や分子の運動を完全に停止する状態ができます。その温度を絶対零度といいます。この温度より低い温度は存在せず、摂氏マイナス273.15°Cです。

Ex)25°C → 絶対温度 298.15K

PTCサーミスタ(ポジスタ)

正特性サーミスタ

温度が上がると抵抗も上がるという正の温度係数をもったサーミスタのため、PTCサーミスタを正特性サーミスタともいいます。

キュリー点

PTCサーミスタは、常温からある温度まで抵抗値がほぼ一定ですが、それ以上の温度になると急激に抵抗値が上昇します。この抵抗値の変化点を「キュリー点 (または、キュリー温度)」と呼び、村田製作所では、25°Cにおける抵抗値の2倍の抵抗値になる温度と規定しています。

突入電流

電子機器の電源投入の際に発生する、一時的に定常電流値を超える大きな電流をいいます。

最大電圧

使用温度範囲内で、PTCサーミスタに常時直接印加することのできる最大の電圧をいいます。

耐電圧

25°Cの静止空気中において3分間印加しても耐えることができる電圧をいいます。電圧の印加は0Vから徐昇圧により耐電圧まで上昇させる方法で行います。

発熱動作点

ポジスタの自己発熱と外部への放熱が平衡状態になった動作点をいいます。

保持電流

ポジスタの電流電圧特性において、抵抗上昇(動作)せずに流すことができる電流値をいいます。

トリップ電流(動作電流)

ポジスタの電流電圧特性において、抵抗上昇(動作)する電流値をいいます。これ以上の電流は抑制されます。

保持電流領域 / トリップ電流領域 / 保護電流変動範囲

ポジスタの保持電流やトリップ電流は、周辺温度、抵抗値、温度特性、形状などの要因により変動します。
ポジスタが動作せずに電流を流せる領域を保持電流領域といい、必ず動作する電流領域をトリップ電流領域といいます。
それぞれ上限と下限の間の電流領域を保護電流変動範囲といいます。保護電流変動範囲には、製品のバラツキが含まれます。

動作時間

ポジスタに流れる突入電流が1/2まで減少するまでの時間をいいます。