水晶振動子発振周波数 測定方法の基礎知識

発振周波数とは

発振周波数とは、振動子を発振回路に組み込んで動作させている状態での、実際の周波数を指します。
発振周波数は主に振動子の特性によって決まりますが、マイコンの特性、外部負荷容量、実装基板の寄生容量などの影響を受け、実際の発振周波数が決まります。

測定方法

計算方法

実際の発振回路の負荷容量と振動子の等価回路定数の値が分かっているとき、以下の式により発振周波数を計算することができます。
fLは負荷時共振周波数、frは共振周波数、Csは負荷容量、C0およびC1は振動子の等価回路定数です。

計算式

測定方法(カウンタ、非接触)

  1. 測定に必要なもの
    • 発振回路
    • 周波数カウンタ
    • アンプ(または信号出力端子付きオシロスコープ)
    • プローブ
  2. 図のように、測定器を準備します。アンプの代わりにオシロスコープを使用する場合は、Y軸方向のレンジをできるだけ拡大する(振幅が大きく見える)ように設定してください。
  3. プローブを発振回路にできるだけ近づけます。
  4. 周波数カウンタに周波数が現れるので、それを読み取ります。
周波数カウンタでの測定時の発振回路図

ポイント

  • プローブは回路に接触させないでください。プローブ自体の入力容量の影響を受けて発振周波数が低くなります。
  • オシロスコープの画面に現れた周波数は、測定精度(桁数)が低いので注意してください。
  • デジタルオシロスコープの周波数測定機能の場合も量子化誤差がありますので、サンプリングレートやアベレージ回数に注意してください。

測定方法(スペアナ、非接触)

  1. 測定に必要なもの
    • 発振回路
    • スペクトラムアナライザ
    • アンテナ(同軸ケーブルの一端を切断したものなどでも可能)
  2. 図のように、測定器を準備します。
  3. アンテナを発振回路にできるだけ近づけます。
  4. スペクトラムアナライザにピークが現れるので、そのピークの周波数を読み取ります。
スペクトラムアナライザでの測定時の発振回路図

ポイント

  • アンテナは回路に接触させないでください。
  • 測定する際のスパンはできるだけ狭くして、精度良く測定してください。

注意事項

発振周波数は発振回路の容量によって決まるため、測定の際などにプローブを接触すると、その時点で発振周波数は本来の値からずれます。発振回路に影響を与えずに周波数を測定するためには、上記の方法のように発振回路に接触せずに測定することが大切です。